紙本着色
本紙 112× 31,3㎝
軸装 167,5× 47,2㎝

青木夙夜(あおきしゅくや)
?~享和2年(1802)
江戸後期の京都の画家
池大雅の弟子の一人。

大雅の遺品や作品を守る《大雅堂》を管理した人。
大雅堂2世を名乗った。

池大雅さんがたくさんの弟子たちに
とても慕われていたことは、
奥さんの玉蘭さんが亡くなった後、
弟子たちが大雅堂を建て、
大雅さんの作品だけでなく
愛用の机や筆、
大雅さんが大切にしていた如意輪観音像や厨子をも
代々守り伝えられていたことからも、
想像に難くありません。

この作品の作者・青木夙夜は
大雅堂2世を名乗り大雅堂を守っただけでなく、
寛政12年(1800)には
大雅さんの二十五回忌追善会を
他の弟子と3人で主催しました。

二十五回忌って凄いですね。
夙夜がどれほど大雅さんを慕っていたか
わかります。

ちなみに
この追善会の案内状は廻状で、
(あらかじめ出席してほしい人の名前が列挙されていて、回覧された)
呉春・円山応瑞・伊藤若冲さんの名前も列挙されています。

本作品は
岩の姿を現すぼこぼことしたライン
うねうねした皴
ちょびちょびと加えられた点苔など

大雅さんから絵を学んだ人の作品であることが
一目でわかる一方、

余りにきっちりと描かれた画風には
作者のまじめな性格がストレートに表れています。
下方の舟上で釣りをする人も
〈のんびり〉というよりも
一生懸命に〈真面目に〉釣っています。

遠山に掃かれた美しい空色は、
大雅さんが使っていた顔料と同じ色。
生真面目な画面に
一呼吸の休息を与えています。

画として素晴らしいというよりも
大雅さんを深く思慕する夙夜の気持ちが
時を超えて伝わって来ることに
胸を打たれる作品です。

軸装の裂はボロボロで鑑賞に堪えませんが
よく見ると
外国の大型船が織り込まれたお洒落な裂。
軸装した人のセンスが偲ばれます。

本紙に多数の折れ・傷みがあります。

款記「平安餘夙夜」
「餘氏夙夜」朱文方印
「餘浚明印」白文方印
箱無

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裂の文様。大型船に掲げられたクルスの旗