本紙 36,5 ×50㎝
軸装 120,5 ×64,5㎝
絖本淡彩

池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵 他
京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲に並ぶ人気アーティスト。

画面左の真ん中から
右下へと
大きな木の向うを通って広い道が横切っています。
その向こうには、広々とした水辺。
水辺の向うのなだらかな陸地。

左方の道に小さく描かれた文人とお供。
人物との対比からして
中央左の木はかなりの巨木です。

手前の土波も
水辺の向うの景色も
ほとんど同じように
水分をたっぷり含んだ潤った筆と
渇筆で重ねられた長い放物線によって表現されます。
大雅さんは、
目の詰まった絖本でなければできない筆致を楽しんでいるようです。

それにしても
この道は幅が広すぎます。
もしかして道ではなく、
朝晩に深く立ち込めた霧が
低い所に流れているのかな。

豆粒みたいに小さく描かれた旅人とお供は
霧のまっただ中にいるのでしょうか。
そう見ると、
巨木の下の雑木と二人の旅人が
とても薄い墨で描かれていることに矛盾がありません。

今は霧の中で不安でも
あと少し歩けば
すぐそこの水辺は明るい視界が広がっています。

空間的にも時間的にもスケールの大きな自然。
その中に生きる愉しみの
表現でしょうか。

守樸忘晨夕
烟霞自呑吐
泉飛萬仭山
風送四時雨

橆名併録

《深泥池氏》白文方印
《橆名(ありな)》白文方印
《遵生》朱文長方関防印

本絹左上隅に傷み
他にも画絹に僅かな汚れがございます。
画像でご確認ください。
左の軸先が割れて修理されています。

箱書きをした水田竹圃(1883~1958)は
大阪出身の日本画家。
仲間と日本南画院を設立。
帝展審査員。

箱の蓋裏に
「戊戌夏鑑併題於蟻池庵」
と書かれ
戊戌が1958年とすると竹圃の没年。
同封の書簡の内容と一致します。

真筆保証
水田竹圃極・題箱付

消費税・送料別
《お買い上げありがとうございます》

古漢字に付いて、漢詩研究家の北山昌義先生のご指導を仰ぎました。
この場を借りて、深く感謝申し上げます。

追記
漢詩研究者の先生から
この五言絶句は、清初の画人張右華の「萬仞烟霞図」が出典であることを
ご教示いただきました。
心より御礼申し上げます。
2019年6月15日

水田竹圃題 箱 「池大雅絖本江山清趣圖」 汚れ有

箱蓋裏

蓋裏拡大

同封の書簡

本絹左上傷み

上下一文字裂

右上画絹汚れ画像