本紙 129 ×38,7㎝
軸装 186 ×50,8㎝
紙本墨画

池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵 他
京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲に並ぶ人気アーティスト。

真ん中辺りは湖。
小舟に乗った人が小さく描かれます。
湖から蛇行して流れる河にかかった橋を
供を連れた旅人が渡っています。
長い杖を持ち、前のめりな姿。
美しい竹林へと、逸(はや)る心が伝わってきます。

竹の葉はほとんど擦れのない筆で
一枚一枚丁寧に描かれます。
さやさやと清らかな音が聞こえてくるようです。

湖の向うの山々は
手前の土波と同じ、強い筆致で描かれます。

仕入れで富山方面に出かける時、
運転中に、立山連峰の美しい姿に目を奪われますが

大雅さんの描くこの山々も
美しい姿です。

右肩下がりの山
右肩上がりの竹林の輪郭。
画面に
心地の良いリズムがあります。

山と竹林の間に
妙に大きく描かれた松の奇妙な形が
アクセントを加えています。

空と水面
うっすらと薄墨が掃かれて、
縞が現れています。

畳の目がくっきり現れているんです。
つまり、この作品は
招かれて行った先で
主人や他の客人の目の前で
即興で描かれた《席画》だと思われます。

大雅さんは26歳の時に江戸に下り
滞在中に著名な学者や書画家と交友しています。

その時既に、
諸大名からも招かれて
盛んに《席画》を披露するほど人気があったんです。

席画は即興ですので、
あっさりした作品が多いものです。

この作品は捺された印章から判断して
若くても40歳代前半の作品。
応挙・若冲と並ぶ人気アーティストの大雅さんに
このように丁寧な作品をその場で描いてもらえたのは
よほど、大雅さんと気持ちの通じた
人徳のあるお大尽でしょう。

緻密に描かれた全景から
薄墨で描かれた遙かな山々へと
観る者を旅に誘う素晴らしい作品です。

青光幽陰生綺文
橆名圖題辭

「前身相馬方九皐」朱文長方印
「霞樵」朱文連印
「玉皇香案吏」朱文方印
「五日一山十日一水」朱文方印

この作品は
中央右に上から下方へ真っ直ぐ垂れるシミ
多数の傷み、虫食い、汚れがございます。
画像でご確認ください。
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時代箱(とても傷んでいます)付

《お買い上げありがとうございます》

右上が暗いのは照明の加減です。

竹林部分丁寧な筆致。大きな傷。

虫食い

傷み・シミ

軸先

箱表

箱内側。蓋には裏から黒いビニールテープが張ってあります。