本紙 128,2 ×53,7㎝
軸装 203 ×67,4㎝
紙本

池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵 他
京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲に並ぶ人気アーティスト。

一幅には、
唐時代 ?照令阝(該当漢字が変換不可)
(634?~689年)
の五言絶句《??竹》(該当漢字変換不可)

封霜連錦砌
防露拂瑤階
聊将儀鳳質
暫與俗人諧

一幅には、
唐時代の詩人 劉禹錫(りゅううしゃく)
(772~842年)
の五言絶句《庭竹》

露滌鉛粉節
風搖青玉枝
依依似君子
無地不相宜

大雅さんは若い時
「竹居」
の号を使うほど、竹が好きです。
冬にも青々と葉をたたえ
真っ直ぐに伸びる竹は
世俗の澱みと距離を置き、
清らかに生きたい大雅さんの憧れの象徴です。

この作品の箱蓋表には
「池大雅竹詠五絶双幅」
蓋裏には
「大雅書六曲屏風の弐面ヲ改装シ対幅トナス
昭和己亥 五月吉日」
と、記されています。

もともとは、
六曲一双の屏風に仕立てられていた作品をを改装し
この二幅を独立した対幅にしたことがわかります。

この作品の書き始め、
右上に捺された
「玉皇香案吏」朱文方印
は偽印です。

左下に捺された
「深泥池氏」白文方印
「橆名」白文方印
この二つは常に一緒に捺される印章で
宝暦8年・36歳の作品から40歳代の作品に確認できる印。

こちらは本物です。

もちろん書は間違いなく大雅さんの手による作品。
見るほどに
圧倒的なエネルギーを放出しています。

尊敬する詩人の作った大好きな詩を
大画面に思う存分書ける喜びが
伝わってきます。

私はこう想像します。

20歳代にはすでに全国区で人気があり
超人気アーティストだった大雅さん。

昭和32年~34年においても、
中央公論美術出版《南画研究》で
24か月にわたって
「池大雅特集」
が掲載されるほどの人気ぶりです。

箱書きの「己亥」は、まさに昭和34年。
大雅さんの人気は熱を帯びていた時代です。

この書には、大雅さんの落款(署名)がありません。
左下に捺された印章は
あまり使われないレアな印。

普通の人はぱっと見て
大雅作品とわかる確率が低いのです。

きっと
この双幅の所有者は、
この作品を人に見せた時に、すぐにわかるように
大雅さんの印章で、一番多く使われている有名な印を作らせて、
捺してしまったんです。

この《玉皇香案吏》印は
大雅さんが唯一20歳代から40歳代まで使い続けた印です。

この印章を見れば
誰でも「これは、あの有名な大雅の作品!」
と思うでしょうから。

書作品には
書き始めに《関防印》として
長方形の印を捺す約束があります。

離れ離れとなった他の四枚の作品のいずれかに
本物の関防印が捺されているのでしょう。

この作品は、
虫食いを修復したり
欠損部分に墨を足したりした跡が多数ございます。
また、折れもございます。

画像でご確認ください。

《お買い上げありがとうございます》

「深泥池氏」「橆名」白文方印

偽印部分。書に虫食いがあり墨を足したことがわかります。紙にも傷みがございます。

箱蓋表

箱蓋裏