本紙 110× 28,2㎝
軸装 182× 39,5㎝
紙本墨画
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池大雅
享保8(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵など
京都で生まれ京都で活躍した絵師。
生前、応挙・若冲に並ぶ人気絵師で書家。
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大雅さんが若い頃に、筆の代わりに
指や爪を使って絵を描いた指墨(指頭)画。
お酒の席などで
即興で余興のように描かれることが多かった指墨画を
大雅さんは自分の表現方法を確立する手段として
極めていきます。
この作品にも
「九霞指墨」
とはっきり記しています。
中国文化に強い憧れを抱いていた大雅さんの
中国古典4美人の一人「西施」を描いた作品。
3つの印の内
2つは京都国立博物館蔵の寒山拾得図に捺されたものと同じです。
筆致もよく似ているので
20歳代後半に描かれた作品と思われます。
京博蔵の寒山拾得図と同じ手法です。
髪部分は指先を押し当てて描かれ
樸童の髪部分には、指紋がくっきり残っています。
紙の上部が広く空いているのは
あとから、
誰かに賛を入れてもらうためだったかもしれません。
大雅は、
画風を確立すると、
どんな美人も下膨れたおかめ顔に描きますが、
本作品は20代、若い時代ならではの初々しい姿。
美人を美人に描いています。
指墨ならではの墨跡が、
優しい目元の睫毛を上手く表現しています。
北陸の旧家旧蔵。
大雅さんは27、28歳の時に
北陸地方を旅していますので
その時に描かれた作品と推察できます。
九霞指墨
「九霞山樵」朱文長方印
「泉石膏盲」白文方印
「光風霽月/こうふうせいげつ」朱文長円印
軸装・本紙共に虫食い、汚れがあります。
時代箱付
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指紋がくっきり! 京博の作品と照合したら面白いでしょう。