本紙 130,5 ×28㎝
軸装 194 ×38㎝
紙本墨画

池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵 他
京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲に並ぶ人気アーティスト。
白山・立山・富士山の三霊山に登ったことから
「三岳道者」と号しました。
一緒に旅した、韓天壽、高芙蓉も同じく
「三岳道者」と名乗っています。
本当に仲が良かったんですね。

20代の時にすでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に偽物が存在しています。

「安禅制毒」と右上に書かれ、
左下から龍が昇っています。
龍も含めた五文字は
《安禅制毒龍》

唐の詩人、王維の

不知香積寺
數里入雲峰
古木無人逕
深山何處鐘
泉聲咽危石
日色冷青松
薄暮空潭曲
安禅制毒龍

の、一行とわかりました。

龍は昇ってきたのではなく、
消えていくところです。

龍の下に描かれた鉢は、
托鉢の時に禅僧が用いる鉢。

禅によって、
毒龍が姿を消してゆく様子が描かれています。

「制」の文字は他に比べて大きく強く書かれ、
《巾》には、画数に無い点点が加えられています。

まるで、「制」の字が牙を剝いて、
「消えろ」と
龍を威嚇しているように見えませんか?

煩悩《毒龍》を、
禅を安んじることで、制する。

見る者の《毒龍》
「私」の毒龍です。

心は鏡みたいなもので、
もともと、そのものには何もないといいます。

前にあるものを写すだけ。
〈何〉があるように思うかは、自分自身が創る。
毒龍が「毒龍たる」かどうかは、
私の精神のありよう次第である。

大雅の作品は不思議で、
観れば見るほど、世界に引き込まれます。

この作品の龍は、子猫のような表情に、お手てです。
既に、人を恐れさせる凶暴さも威力も失い、
可愛い顔で向うの世界へ収まっていきます。

作品の中に
深い精神と、物語があります。

この作品の落款は、鉄鉢の絵の中に記されています。
大雅作品には、珍しいいれ方です。

霞樵
「深泥池氏」白文方印
「橆名」白文方印

箱の蓋裏に五世大雅堂定亮の識有り
名古屋美術倶楽部「三百円」の落ち札付
二重箱

本紙にヨゴレ折れがございますが、
鑑賞の妨げになりません。
軸装にもヨゴレがございます。

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軸先は鹿角。

内箱表と、名古屋美術倶楽部落ち札。

内蓋蓋裏
大雅が亡くなった後、門人達は大雅の大切にしていた仏像・遺品・印章・作品などが散逸しないように、大雅の居住地真葛が原(現在の円山公園の端)に大雅堂を建て、それらを守り継ぎました。

この箱の極め書は、大雅堂五世定亮(さだすけ・1839~1910/池大雅の門人・月峰の孫)

本紙ヨゴレ部分

軸装上方ヨゴレ部分