21,4 ×23,㎝四方
高さ 24㎝
薄さ 約6㎜
四段+1
江戸後期

重箱全体がすっかり銀蒔絵で覆われた贅沢なお品。
とても珍しい器形です。
上から見て真四角ではなくやや長方の形、
下にいくほど段が深くなるのは、
江戸時代の重箱のごく普通のスタイルですが、
本品は、一番下段が薄く、脚がつけられています。

高貴な方の器は高坏であることからわかる通り、
脚があるのはより高い品格を表します。

その下段には上の4段とは全く違う文様が施されます。
銀地に金で繊細な唐花蔓草。

実は、蓋を開けると、
一番上の段は懸子仕立てで、
もう一段隠れているんです。
そしてこの隠れた一段は、
最下段と同じく、金で唐花蔓草が蒔絵されています。
蓋を開けると、隠れていたエレガントな唐花が現れる、凝った造り。
最下段と呼応しています。

更にこの懸子により、
普通、重箱は二方桟の置き蓋ですが、
より制作の複雑な、被せ蓋が備わっています。

特注品でしょう。

ところで、このメインの蒔絵のモチーフは何だと思われますか?
黒で縁取られ、
金地に文字、または雨龍の書かれた入隅の長方形。
しかも斜めに切られています。

私は、これは唐墨だと考えます。
硯で磨られて斜めに減った墨なんです。
本金がとても厚く蒔かれたとても贅沢な蒔絵による墨の絵。

本品の箱には旧蔵者の住所が墨書きされて、消されています。
住所は新潟市。
新潟は、良寛や会津八一を生んだ土地です。
上等な唐墨は今も昔も、とても高価で貴重品。
墨が不可欠な芸術家たちの地の、文化レベルの高さが感じられます。

重箱の広い蒔絵画面を贅沢に使い、
贅沢な墨の絵を
総銀地に金で蒔絵した
贅沢かつレアな逸品です。

わかりやすい真っキンキンな豪華さではない、
知性的な美です。

側面接合部に亀裂、
他に小キズやすれがございますが、
ご使用・鑑賞に差し障りございません。
古い時代のお品です。
ご容赦ください。
仔細は画像でご確認ください。
気になることは、
お気軽にお問合せくださいませ。

¥100,000
消費税別・送料込

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蓋を取ったところ

上から

懸子蒔絵

上から一段目内側

蓋傷み部

蓋傷み部

蓋変色部

蓋内側

懸子外側蒔絵

一段目小傷部

一段目内側

一段目裏

一段目裏桟小傷部

二段目傷み部

二段目傷み部

二段目傷み部

二段目裏

三段目内側
三段目傷み部

三段目傷み部

三段目裏

三段目内側

四段目側面蒔絵

四段目脚傷部

四段目

四段目裏

金蒔絵拡大

外箱 下部引き出しは空です

箱側面