団扇の最大幅 21,5 ×24㎝
軸装 107,5 ×29,4㎝
紙本

津田青楓
明治13年(1880)~昭和53年(1978)
京都の華道家家元の家に生まれ、
呉服屋に奉公、染色学校で日本画を、
のちに浅井忠に洋画を学び、
パリに留学して、アールヌーボーも学んでいます。

安井曽太郎・高村高太郎・夏目漱石ら
色んな分野の芸術家たちと交友し、
プロレタリアの思想にも傾倒しています。

文字の書き様は、
非常に上手く、
独自の書世界を作り上げていることがわかります。

この作品を読んでくれた古文書マニアの友人は、
「難しかった」
と言っていました 。

春霞堂知 /春霞たち
尓之比餘里 /に日より
疎開之天 /疎開して
小田能閑王 /小田のかわ
寿とな /ずとな
里尓ける可那 /りにけるかな

青楓は、戦争中茨城県小田村に疎開しています。

この作品は、その時のものかと思われます。

京都の名家に生まれ、
若い時からセンスに優れ、
職業画家としても評価が高く、
洋行したり、
二科会の創立に加わったり、
プロレタリアアートを描いたり、
また日本画に戻ったり、
華やかで起伏の激しい人生を送った青楓が、

年を取って、
関東の田舎での疎開暮らし。

質素な紙表装。
何の装飾もありませんが、
よくよく見ると、
団扇の紙には、色とりどりの繊維が漉きこまれています。

やはり、お洒落な青楓です。

「春にやってきて、
夏には蛙のように、この土地に馴染んで暮らしているなぁ」

歌の前半が、
薄い墨で難しい漢字を使っているのに比べ、
後半は、濃い墨。
わかりやすい文字ではっきりと書かれています。

「小難しいことやってきた人生だったし
疎開不安だったけど、
シンプルな田舎暮らし気に入ったなぁ」
と、
青楓の心境が表れていると、
私には思えます。

共箱
¥38,500
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津田青楓