径 約6,4㎝
高さ 約8,3㎝

渡辺喜三郎

益田鈍翁さんを中心とする近代経済人数寄者が
大変ご贔屓にされた東京の塗師。

現在、MIHO MUSEUMで開催中の特別展
《懐石の器》において、
尾形乾山の器や、
桃山時代の織部・志野・黄瀬戸・唐津焼
といった超一流の器たちの相棒を務めているのが、
喜三郎の塗りものです。

華美な装飾を一切排し、
材の質感を見事に表現、
超絶な技巧で仕上げられた塗りものでなければ、
強烈な個性の器と調和することはできないのでしょう。

「西の宗哲、東の喜三郎」
と称された名工ですが、
関西の方には馴染みのない喜三郎でした。

2021年秋
京都国立博物館で開催されていた特別展
《畠山記念館の名品》で、
畠山即翁さんが、喜三郎に作らせた名品の数々が、
関西初お目見えしました。

【老茄子茶器】や、
鈍翁さんが喜三郎に作らせ、
その後即翁さんのご所蔵となった【明月形懐石皆具】(朱漆に螺鈿の桜散し)
【春慶塗棚水指】
【豆腐茶箱】
など、

その見事さに、
感嘆された方も多いことと思います。
私もその一人です。

本作品は、
表面は木目を際立たせ、
ランダムな太さの轆轤目を残した木地、
内を喜三郎特有の艶々の真塗りにした
少し細みで、甲が直線的な棗です。

オリジナルは、
小堀遠州所持、
中興名物の「笆(まがき)棗」。

遠州が
「吾宿乃庭乃笆農荒行乎真乃埜~」
と、書きつけたことから、こう呼ばれるそうです。

《笆》は、竹や芝を粗く編んだ垣のこと。

この棗の、少し上背高く、角ばったシルエットが、
笆をイメージさせたんですね。

オリジナルは表面に塗りが施されていますので、
この、喜三郎の木地の作品は、
オリジナル作品の名前からインスパイアされ、
更にもう一歩進んだ意匠です。
凄い!

木目を際立たせた剝き出しの木地の味わいと、
開けた時の艶々が対照的です。

素晴らしいセンスと技巧。
恐れ入るばかりです。

鈍翁を敬愛し、
薫陶を受けた、
裏千家初の、女性老分(ろうぶん)
堀越宗円(1892~1978/松方正義の息女)の在判と箱蓋裏書き。

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渡辺喜三郎作笆棗

底部に、材の傷みによる景色があるのも素晴らしいセンス!

このフォルムが見た目に近いです