約23 ×20,3㎝
高さ 約4㎝
江戸時代
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蓋上に蒔絵と螺鈿で描かれた蝶は、
非常に細かな、様々な技法が使われています。
真っ黒な漆に、本金が映えていますね。
金の上に金で細部が描かれたり、
螺鈿の上から金で模様が描かれたり、
銀の小さな切箔が貼られたり、
技巧を凝らした羽根の文様。
肢や顔はリアルな写生に基づいています。
古い時代の本銀は、腐食して滲みます。
それが作品に格調高さを加味しています。
面取りした器体の蓋表四方に乗せられた金のラインも
素晴らしい装飾効果を発揮しています。
左下の真っ黒な蝶は、
おそらく螺鈿の片が大きすぎて、
そっくり剥がれ落ちたのでしょう。
右上の赤い蝶は、
銀片がほどんど剥落して、地漆が現れたものと思われます。
他にも、
部分的に剥落部分がございますが、
それも、時を経た一つの表情です。
蓋裏と懸子には撫子が蒔絵されています。
非常に上手い、繊細な表現です。
この、粉粉する金粉は、
古い時代の金粉の一つの特徴です。
蓋裏の右上部分の漆塗りに断紋が出ています。
四方は修復の痕跡がございます。
黄銅の水滴はオリジナルではありません。
少し小さな水滴を合わせるために、
補助の金具が入れられています。
もともと備わっている水滴は、
実際にお使いになられるときは不便ですので、
装飾の一つとお考え下さると不都合がありません。
使い用の素敵な水滴を見つけるのも、
楽しみの一つです。
硯が、やや斜めに嵌め込まれていて、
外せませんが、
ご使用に問題はありません。
仔細は画像をご覧ください。
気になる点は、お気軽にお問い合わせください。
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古美術品として価値ある硯箱を実際にお使いになると、
書のお稽古もとっても楽しい。
決まった先生のいらっしゃらない方は、
二玄社の中国の古典書法の本の臨書がお勧めです。
《お買い上げありがとうございます》

蓋を開けたところ

揚羽蝶の羽の丸文の螺鈿象嵌に、金で模様が蒔絵されています

螺鈿剥落部分

銀彩の剥落と銀切箔装飾部分

剥落部分

蓋裏拡大

内容品をばらしたところ

裏面

蓋裏断紋画像

蓋隅

蓋隅

水滴部分

硯の嵌った状態

水滴、水滴受けを外した部分に亀裂がございます

面取り箱の器体

底部分