本紙 95,5 ×22㎝
軸装 173,5 ×24㎝
紙本
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小堀南嶺
大徳寺塔頭龍光院(りょうこういん)前住職。
「渓聲広長舌」
《広長舌》
は、仏の教えのことだそうです。
渓聲便是広長舌
山色豈非清浄身
夜来八萬四千偈
他日如何拳似人
中国・北宋時代(11世紀)の政治家で芸術家・蘇東坡が
悟りを得た時の偈。
山の清流の音は、仏の教えである。
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2018年のMIHO MUSEUM春季特別展は、
開山以来部外者に門を閉ざし続けた龍光院の寺宝を
400年で初めて公開してくださった特別展でした。
その折、
この南嶺和尚に、小学5年の時に見初められ、
お寺に住んで修業された現住職、
南嶺さんの法嗣である月浦和尚のお姿を初めて拝見し、
お話を伺う機を得ました。
その時のお話が忘れられません。
「毎朝毎朝掃除をする、
本当に飽き飽きしているんです。
今日、求めてくる人がいるかもしれない。
だから、掃除するんです。」
こんな内容でした。
悟りを得た人は、
聖人ではなく、普通の人と同じ気持ちを持っている。
それは、大きな衝撃でした。
龍光院の住持は、世襲ではなく、
公案を解き、
悟りを得たことを師に認められた禅僧がおつとめになっている。
そう思うと、
この一幅は貴重です。
本紙は良いコンディションです。
軸装の下端は傷んでいます。
風帯が前のご所蔵者が間違った収納をされていたために、
巻き癖や、折り癖がついています。
共箱
¥13,200
消費税込・送料別

軸装裂の傷みと、軸先附近の切れ目

蓋裏

裏側にシミが出ています