径 約6,7㎝
高さ 約7㎝

辻石斎
江戸時代後期創業の山中塗・塗師。
二代(1911~1972)が北大路魯山人と仕事をしたことで有名です。
本作品は、
二代に師事した四代石斎(1938~2019)の作品と思われます。

黒漆に黒漆で絵を描く技法を
闇蒔絵とも呼びます。
特に、黒漆に黒漆で桜を描くのを、
「夜桜」
と呼ぶことがあります。
満開の桜と、夜の闇という、明暗二極を一つに表し、
強い印象を与えます。
有名なのは、少庵好夜桜棗。

本作品は、
満開の花を、
ぽってりと盛った漆で描いた桜と、
輪郭のみを線で描いた桜を織り交ぜて散らした意匠。

合口の立ち上がりの部分にまで、
桜が描かれているのは滅多にありません。

漆で描くと厚みが出ますので、
その厚みまで計算して成型塗漆しなければならず、
石斎の高い職人技術が現れています。
また、
作品として一段と華やかです。

蓋を開けた時のお客様のサプライズが、
愉しみな一品です。

三代中村宗哲の作った、
少庵好みの夜桜棗は、
桜を棗の甲と胴に描き、その上から黒漆を塗り込めてあります。
江戸時代の漆は化学処理されていないので、
経年と共に飴色に変色していますので、
ぱっと見、
闇の色でもなく、桜もわからないんです。
父利休切腹のあと、
遠国に身を潜めた少庵の夜桜が、
わかりやすいはずがありませんね。
これは、余談です。

共箱・共布
(シミが出ています)

¥55,000
消費税込・送料別

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辻石斎作夜桜棗