高さ 約6㎝
幅 約4㎝

覚々斎原叟宗左
延宝6年(1678)~享保15年(1730)
表千家6代

伯蔵主(はくぞうす)は、伝説の白狐。
狂言の「釣狐」は、この伝説を元に作られたといわれています。
一族を猟師に狩られた狐が、
伯蔵主という僧に化け、
猟をやめさせようと猟師に殺生の罪深さを説きます。
一旦は猟の道具を捨てた猟師ですが、
罠にかかった鼠が食べたい気持ちをおさえられなかった狐は、
本性を顕してしまう、
そんな内容だったと思います。

非常に出来の良い香合です。
ザラザラとした剥き出しの土で成型され、
釉薬は掛かっていません。
それがこのテーマの表現の手触りに、
あまりにぴったりです。
僧の衣をゆったり纏ってうつむく狐の、
見開いたつりあがった眼、深く裂けた口。
衣のドレープの表現も、
細かく刻まれた狐の毛並みも、
非常に上手い造形です。

殺生される者の辛さを、身をもって味わいながら、
自分自身が鼠を捕食したい本能に勝てない白狐。
魔性と、滑稽な愛しさ。
切り離せない、生きることの悲哀と至福が、
見事に表現された表情です。

伯蔵主の纏った衣の後ろの裾部分は、
欠けて欠損していましたので、補修を加えてもらいました。

箱は、蓋と底以外の四方は、桑のようです。
蓋裏に覚々斎の墨書きがあります。

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伯蔵主香合覚々斎

 
補修箇所画像
補修部分は一ヶ所です。別角度から3画像。

  

  
上下を合わせて、下からの画像。
腰に巻いた縄の先端が足の横に垂れて見えているのも、素晴らしい造形です。