本紙 約29,3 × 45,5㎝
軸装 約105,5× 55,7㎝
紙本淡彩

左下から→右→左上
とジグザグに奥へ目を向かわせる構図は、
伝統的な山水の描き方のパターンの一つです。

それにしても、
何も描かれていない湖面が広い山水画です。
その空間が、とても気持ちいい。

画面左下に鎌のように描かれた柳の樹は、
一際強く黒々としていますね。

左上の遠い山は、渇筆で、繋ぎ繋ぎの線で、
輪郭と皴(岩肌の表現)を兼ねているようです。
更に更に遠くの山々は、
薄く掃かれた藍だけで表現されています。
無駄な筆を極力排した、
大雅の真骨頂の一つです。

代赭(朱)と藍で薄く色の付けられた墨の山水を、
浅絳山水(せんこうさんすい)と呼びます。
大雅の得意技の一つで、
たくさんの作品がありますが、

この作品が特に面白いのは、
代赭と藍がダンダラに加えられている事。

左下の土波は、
青→赤→青。
まん中の島は、下から
青→赤→青→赤→青
と、縞々に色が引かれていますでしょう?

奥の山々も二色が交互に加えられています。

これは大雅の遊びだと思うんです。

古典を写しまくって、
画を描くことの芯をわがものとした大雅だからできた、
ジャズみたいな作品です。

橆名寫
「大雅」白文長方印

この印章は、
明和2年(1765)、大雅43歳の款記のある
《遊山翫水図巻》の題字の関防印として、また、
同じ年の款記のある《蘭亭修禊図》に捺されています。
30歳代後半~40歳代後半までと考えられる作品に捺される印章です。

所々にポチポチとつけられた黄色の点を
色付いた紅葉にみた、
現在の表装に仕立て替えしたであろう旧蔵者が、
巻き留めに、
「秋山水図」と記されています。

虫食い跡が所々にございます。
傷みの修復箇所もございます。
特に、真ん中の屋根の部分の傷みには、
黄色が加えられています。
これは後補と思われます。

他にも、折れや汚れがございます。
表具裂にも、色の抜けた部分がございます。
画像でご確認ください。
鑑賞を妨げるものではございませんが、
格安に提供させていただきます。

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池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵・九霞、他

京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲と並ぶ、大人気アーティストです。
20才代ですでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に贋物が存在しています。

近世の絵師で、
国宝・重要文化財に指定されている作品は大雅が最も多いことは、
現在ではあまり知られていません。
文化庁にも数多くの大雅作品が収蔵されています。

川端康成、梅原龍三郎、谷川徹三ら
一流の文化人、画家たちも大雅に魅了され、
その作品を愛藏されていました。
国宝に指定されている「十便十宜図」は川端康成さんの旧蔵品です。

池大雅筆湖上秋景図池大雅筆湖上秋景図

  
この部分に後から色が加えられています。
  

 

 
   

池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵・九霞、他

京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲と並ぶ、大人気アーティストです。
20才代ですでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に贋物が存在しています。

近世の絵師で、
国宝・重要文化財に指定されている作品は大雅が最も多いことは、
現在ではあまり知られていません。
文化庁にも数多くの大雅作品が収蔵されています。

川端康成、梅原龍三郎、谷川徹三ら
一流の文化人、画家たちも大雅に魅了され、
その作品を愛藏されていました。
国宝に指定されている「十便十宜図」は川端康成さんの旧蔵品です。