本紙 約146 ×37,7㎝
軸装 約203 ×51,3㎝
紙本
□
山田無文
明治33年(1900)~平成元年(1989)
妙心寺霊雲院住職、花園大学学長、
禅文化研究所所長、妙心寺派管長を歴任、
花園大学名誉学長
□
「寿以南山」
「南山」は、もともとは中国長安の南にある終南山を指していて、
悠久の時を経てもその雄大な姿の変わらないことから、
長寿を表します。
無文さんのお手は、
大抵特徴ある丸みのある豪快な太筆の姿ですが、
本作品は豪快中の豪快です。
「壽」は縦50㎝もあります。
これ以上なくめでたい!めでたい!
紙の幅いっぱいに揮毫され、
無文さんの署名《款》はありません。
そこが、無文さんらしい!
紙いっぱいに書かれるほどのパッション溢れるお祝いの言葉。
「署名なんてどうでもいいんだ」
そうおっしゃったに違いない。
あまりにたっぷりの墨で、強く書かれ過ぎて、
「壽」の縦横の交差部分は穴が開いてしまっています。
残念ながらシミが出てしまっています。
シミの他に、紙に見たことのない線がたくさん現れています。
まるで、アスファルトに被われた大地から、
巨木の根がアスファルトを持ち上げて地表に現れてくる時にできる、
地割れのようなヒビ割れです。
これは、あくまで私の想像ですが、
あまりに大量の墨が紙に乗せられたために、
紙が対応できずにできた無数の皴を、
平らに表具するためにできた痕跡ではないか、と考えています。
この事情にお詳しい方がいらっしゃいましたら、
ご教示下さい。
お願いいたします。
叡智の巨人、無文さんの極めつけの一幅です。
無地箱ですが、
「現代名僧墨跡展」に出品された証明書が付属しています。
《お買い上げありがとうございます》
印章
墨で紙の傷んだ部分
皴のような跡部分
シミ
付属の書付
箱の蓋に傷んだ痕跡がございます
サイズ感(身長約159㎝)