本紙 縦121,5 ×横30,7㎝
軸装 縦188 ×横37,2㎝
紙本

会津八一
明治14年(1881)~昭和31年(1956)
歌人・書家・美術史家
新潟県新潟市出身
雅号/秋艸道人・渾斎

香薬師を拝してよめるうたのうちに

みほとけ の うつらまなこ に いにしへの
やまとくにはら
かすみそ
ある らし

仏さまのうつらうつらとした目の中に、
古代の都の気配が見えるようだなぁ

八一の「自註鹿鳴集」冒頭の、
「南京(なんきょう)新唱」(明治41年~大正13年)に収録されています。

それによると、
「香薬師」は、奈良時代前期の作とされる傑作の小像。
八一の解説に、
八一が拝した時新薬師寺にあったその仏さまは、
元々は正倉院伝来(天平勝宝8年/756)の図にある「香山堂/カウゼンドウ)に祀られていたと、
八一は考えている事、
その堂が、建物も僧侶の数も、当時は非常に隆盛であったこと、

「うつらまなこ」の言葉は、
八一自身の造語であること、
などが記されています。

そしてこの仏さまは、
「昭和18年に第三回目の盗難に罹りて、
遂に世に出で来たらず。惜しみても余りあり。」
と、記され、

八一が愛したこの小仏が、
「自註鹿鳴集」出版時(昭和27年)には、既に会えない存在であったことがわかります。

遠い天平時代を見ているようであったみほとけの姿、
その姿さえ幻となった。

八一の、二重の想いの書姿。

「みほとけ」
は、他の文字と一線を画した、上にありますね。

触れ得ない高いところに姿を現わしているようです。

紙のムラムラは、ほとんどは汚れではなく、
こういう紙の種類です。
中国の書作品に使用例が多い紙です。

本紙右上部分だけは、シミの痕跡です。
キツい折れも多く、
もともと簡易な仕立ての表具も、非常に悪いコンディションです。

しかしながら、
書自体は、墨溜りの跡が見えるほど強く、
八一のパッションがはっきり見える作品です。

もちろん肉筆・本物です。

コンデションと、現在の事情を鑑み、
格安で提供させていただきます。

箱無し

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会津八一筆「みほとけのうつらまなこに」

 
墨溜りがはっきりみえます
シミ部分
 
表具欠損部分裏表