本紙 幅16,6 ×一番長い横の長さ44㎝ 扇面
軸装 約96 ×57㎝
紙本墨画

大雅は、数多く菊を描いていますが、
(出光美術館も晩年の菊花図をご所蔵です)
本作品は、
扇面の狭い画面のほぼ半分を埋め尽くすほど、大きな一輪の菊花を描いた、
特に出来の良い作品です。

実際に、扇として使うために加工の施された輝きのある紙面は、
通常の紙よりも水を弾きます。
それを生かし、
葉っぱには垂らし込みの技法が効果的に使われています。

画面の右から、倒れるように現れ、
くるっとうねる茎。
扇形の画面をこれ以上生かした構図はないでしょう。

大雅自身にとっても、会心の作であったことは、
真ん中の上部に印章が捺されていることからもわかりますね。

ボリュームたっぷりの菊の花びらは、薄墨で描かれ、
筆数をうんと省略した葉に垂らし込みで、アクセントをつけ、
画面いっぱいにのびのびと描きながら、全くうるさくない、
素晴らしい仕上がり!

「霞樵」の落款も、
筆の走った草体で書かれています。
良い書姿です。

「霞樵」朱文聯印
「前身相馬方九皐」朱文長方印
共に、30歳代半ばから生涯使われ、最も使用頻度の高い印章で、
この二つが同時に捺された作品は非常に多いです。

おおらかで、筆数を削った充実した筆、
落款、印章から、
40歳代後半の、画業の極まった時期の作品と推測いたします。

全長で96㎝と、コンパクトな作品です。
大きな壁がなくても、ご存分にお楽しみいただけます。

上質な唐木の軸先、
コンデションの良い軸装の状態、

箱の蓋裏の
「昭和三十八年入手」、
蓋表の、同じ色の墨で大きな
「大雅堂扇面菊圖」
の墨書きから、
旧蔵者が軸装を仕立て直し、箱を誂えたものと思われます。

本紙に左側に傷み、
全体に折れなどがございます。
作品をすばらしさを損なう程度ではございません。
画像でご確認ください。

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池大雅筆水墨菊花図扇面
霞樵・「霞樵」朱文聯印

「前身相馬方九皐」朱文長方印
    

 

池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵・九霞、他

京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲と並ぶ、大人気アーティストです。
20才代ですでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に贋物が存在しています。

近世の絵師で、
国宝・重要文化財に指定されている作品は大雅が最も多いことは、
現在ではあまり知られていません。
文化庁にも数多くの大雅作品が収蔵されています。

川端康成、梅原龍三郎、谷川徹三ら
一流の文化人、画家たちも大雅に魅了され、
その作品を愛藏されていました。
国宝に指定されている「十便十宜図」は川端康成さんの旧蔵品です。