今年もあとひと月!
新しい年は、うんと良い作品から良いエネルギーをもらいましょう!

あなたの運命を変える一幅になるかもしれません。

大切な方へのクリスマスプレゼントに、
頑張っている自分へのご褒美に、
幸運を招く特別な一幅を!

11/23(土・祝)~12/8(日)
(会期中休業日・留守時間がございます)

【作品№7】
翠厳宗珉筆狩野探幽画如何是祖師西来
◆翠厳宗珉筆 狩野探幽画「如何是祖師西来意」◆

翠厳宗珉(すいがんそうみん/慶長13年(1608)~寛文4年(1664))は、
大徳寺第195世住持、寸松庵二世。
江月宗玩の甥で、江月さんの法を嗣ぎました。
狩野探幽(慶長7年(1607)~延宝2年(1674))は、名前は誰でも聞いたことのある絵師ですね。
寛永文化を代表する芸術家の一人で、江月さんとも松花堂昭乗とも仲良しでした。

大梅常禅師僧問
如何是祖師西来意
師云西来無意

翠厳野衲書之

大梅法常に僧がききました。
「達磨がインドから来たことの意味はなんですか?」
「意味はない。」

翠厳野衲之を書く

碧巖録(禅の古典教本の一つ)第20則に記された言葉です。

禅は不立文字。
言葉で言い表すことはできない本質です。
その人の人間性・哲学によって、理解は全く違ってきます。
言葉は記号で、受け取り方はそれぞれの中にあるモノに対応していますからね。

碧巖録では、ある僧が二人の師に、
「始祖達磨が西(インド)からやってきたのは、どんな意味があるんですか?」
と問うて、二度ともバチンと打たれ「意味はないんだな」と悟ります。
「打つ」ときくと、現代では暴力的なイメージですが、
打つこと、打たれることでしか伝わらないモノがあります。
ボクシングの試合で、見事なパンチを食らって、
「この人スゲーな」みたいな。

本作品では、大梅法常(馬祖の弟子)に一人の僧が問う姿で、このことが書かれています。

碧巖録には、達磨は青龍=良い馬に乗ってきた、とあるので、
探幽は馬に乗った禅師を描いていますね。

写実的な絵というよりは、ストーリーがダイレクトに伝わる絵です。
さすが探幽。
再来年は午年ですので、今からご準備されるのも良い作戦と存じます。
一年はあっという間ですね。

市松地紋団龍金襴中廻し裂
金襴一文字風帯
時代象牙軸先など、素晴らしい軸装
天地の裂の深い青緑も非常に格調高く美しいです

時代極め箱
立花大亀(1899~2005)による極め三重箱

とてもたくさんの資料が付属しています。
旧蔵者の本作品への強い思いが推し測られます。
平成2年、名古屋城内での茶会の会記、手書きの見本が同包されています。
本作品は猿面茶席での濃茶の掛物と記されています。
ちなみに、花入は
「利休所持、宗旦直書、覚々斎、啐硺斎、即中斎書付」
とありますので、相当に気合の入ったお茶会であったことが推測されます。

本紙 約36,2 ×64,7㎝
軸装 約125,5 ×67㎝
紙本墨画

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翠厳宗珉筆狩野探幽画如何是祖師西来
本紙 約36,2 ×64,7㎝
軸装 約125,5 ×67㎝

三重箱
翠厳宗珉筆狩野探幽画如何是祖師西来


龍寶山(大徳寺の号)に相応しい団龍金襴中廻し

裏面
 
平成2年、名古屋城内での茶会の会記、手書きの見本