本紙 縦165,6 ×横182,5㎝
枠込 縦169 ×横189㎝
紙本墨画
二枚折屏風仕立て

安永年間(1773~1780)か

曽我蕭白
享保15年(1730)~天明元年(1781)

積み藁の陰から様子をうかがう一人の猟師。

男の眼は見開かれ、
半開きの口から舌を出しています。
異様な面貌。
蕭白の真骨頂。

何か、
とてもイイ獲物を狙っているようです。

画面の真ん中を左下から右上に向かって
荒々しいタッチで冬木が描かれます。
男の獲物への執着心が
樹木となって顕現したようにも思える激しい筆致です。

普通二枚折屏風は二双で一組ですので
この作品は右隻で
向かって左に、獲物が描かれたもう半双があったのかもしれません。

また、
右扇の右端中ほどに
丸い引手の跡がありますので、
元は襖だった可能性がございます。

狂気に満ちた表情
緊張する指先
生き物のように生命力漲る樹木。
蕭白の画世界をご堪能下さい。

「猟師図」としましたが
腰に刀が描かれており
何か故事をテーマに描かれた作品かもしれません。
ご存知の方はご教示くださいませ。

「曽我式部卿十世
蕭白平潔明圖」

款記の「潔明」は
蕭白が平安時代末期の武将
三浦大介義明の裔と自称して記した名前だそうです。
兵庫・満福寺蔵の
「柿本人麻呂圖」明和4年(1767)頃にも、
同じ款記、印がされています。

「蛇足軒蕭白」白文方印
「祐邨」白文方印
この二つの印章の同時使用は
平成17年京都国立博物館の蕭白展図録№117
「六歌仙図」
に、例がございます。

印章により、
蕭白が京都に定住した40歳以降の作品と思われます。
オリジナルは墨画ですが、後の時代に金粉が施されています。

未修復のため傷み・汚れが激しいです。
仔細はお問合せください。

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