高さ 約9,5㎝
口径 約3,2㎝
胴径 約4,3㎝
底径 約3,1㎝
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奇怪な姿の太湖石の向うに、
これまたうねって極端な枝ぶりの梅の古木があり、
太湖石の穴から梅の幹が覗いています。
部分的に、透かしになって穴が内側を貫通している部分もあり、
彫りはかなり立体的です。
太湖石の足元から、
春蘭が細い葉をなびかせています。
唐木はとても硬く、模様を刻むのに高い技術を要します。
複雑な形を彫り込んだり、穴を開けたり、細い葉を彫り出したり、
自身の木彫技術の高さを、職人が「これでもか!」と存分に発揮させた装飾です。
「甲子之夏
彫嶺造」
口縁に一本線を巡らし、枠に見立てて、
実風景というより、絵画的な画面だと示しているようです。
太湖石も奇怪な姿の幹も蘭も、
中国の文人画に由来します。
一方で、茶筅を使う抹茶は、
元々中国から渡ってきた文化ですが、
江戸時代には当時の中国では姿を消し、日本独自の発達を遂げています。
その、日本固有の文化となった抹茶の道具に、
中国の文化の色濃いモチーフが施されているんです。
底も、一段凹みを施したひと手間かけた造形。
石のように堅い木なので、こんなことも、とっても難しいんです。
底の縁には欠けがございます。
唐木は硬いので、薄くなると割れ易いんです。
口縁から薄くニュウの入った箇所もございます。
鑑賞・ご使用に響かない程度と存じます。
箱無
¥70000
消費税・送料込

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欠け部分

上から/ 底

ニュウ

