口径 約6㎝
胴径 約8,3㎝
高さ 約5,8㎝
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「五綴鉄鉢」は、僧が托鉢や食器に用いる鉢です。
質素を旨とするため、鉄あるいは瓦鉢以外は使ってはならないと規定されていました。
鉄鉢は、破損しても五度まで修理補修して使うとされたことから、
「五綴(てつ)鉄鉢」とされます。
「法隆寺伽藍縁起幷流記資材帳」には、3つの鉄鉢が記載されているそうです。
飛鳥~奈良時代の、底が補修された《五綴鉄鉢》が東京国立博物館に所蔵されています。
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本作品は、その五綴鉄鉢を写した漆塗りの茶器。
後補部分を金蒔絵で表現しています。
「平安 清鳳」と箱の底裏に墨書きされ、お品の底裏に「清」と漆で銘が書かれていますので、
京都の蒔絵師・清鳳の作品。
箱蓋裏に仔細の説明文が書かれています。
「五綴鉄鉢といへるは、かの衡州
南嶽なる念禅法師の所持なり~
~法隆寺の所蔵なり~」
《南嶽なる念禅法師》は聖徳太子の前世、6回目の生まれ変わりの時の姿とされています。
「さてふたは法隆寺金堂の古材なり」
と書かれていて、
蓋甲は法隆寺の古材の姿を留めていることもわかります。
古色の良く残った蓋と、ピカピカの茶器の対比が面白い。
内側はすっかり金です。
蓋裏に、箱に説明文を書かれた方の花押が朱漆で在判されます。
どなたか不明です。
箱の蓋上の「五綴鉄鉢茶器」の字も、同じお手です。
この方がお好みで作らせたのかもしれません。
古裂写しの仕覆付
¥55000
消費税・送料込
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蓋横/蓋裏
内
底裏
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箱蓋裏
箱底裏
箱に墨汚れがございます