42,3㎝強 四方
高さ 6,5㎝
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八代中村宗哲
文政11年(1828)~明治17年(1884)
千家十職の塗師・中村家歴代でも
特に評価の高い宗哲の一人。
御所御用をつとめ
将軍の御上洛道具や和宮御花嫁道具を制作。
ご維新の後、京都博覧会会社に勤め
フィラデルフィア万博に作品を出品して受賞するなど、
激動の時代を、巧みに生き抜いた方のようです。
細長い形の朱塗りに、黒漆のごく細い線で蓬莱絵が描かれた
玄々斎好みの曙棗はことさら有名で、
写しがたくさん作られています。
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本作品は、菊と桐が交互に位置された高台寺意匠。
上から見える面の一辺は三か所づつ、
炉の内側は二か所づつ、菊桐紋が描かれます。
桐の葉の葉脈から半身、菊の花弁の三方は梨地です。
その配置は、様々なバリエーション!
宗哲の遊び心が見え隠れします。
散らされた銀粉が本銀であるために、
腐食でほんの少し滲みが出て、
時代を経ないと現れない言葉にしがたい表情を見せているのも素敵です。
黒漆は、塗ってから時間が経つと透けて、美しく変色します。
本作品も黒漆にムラが生じています。
明治期に、変色を防ぐ薬品を加えるようになる以前の作品です。
四隅の一角の材の継ぎ目に亀裂が表れています。
コンディションは仔細画像からご確認ください。
共箱・保存袋有
¥115000
消費税・送料込
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このヒビは継ぎ目を貫いて発生しています
裏面
塗の剥げが目立つ部分
側面
箱蓋表
箱書き
箱内側
箱蓋の裏桟が一本欠損しており、蓋裏左下にボールペンの書き込みがございます
箱裏面
手縫い収納袋