約42,5㎝四方
高さ 約6,7㎝

神戸雪汀
(かんべせってい)
明治8年(1875)金沢生まれ
京都・大阪で活躍した蒔絵師

真塗り地に、
詰梨地・沃懸地・金地等様々な技法で古代の動植物が散らされています。
動物たちの多くは羽根を備え、楽し気に躍動しています。

金で描かれた輪郭線と地蒔きの間に空間があり、
隙間から見える黒い漆が二重の輪郭を表わす独特の手法によって、
現実を超越した古代世界の世界観が、絶妙な空気で表現されています。
大きなモチーフには、金銀の切金片が施され、きらめき、
天平の宝物感、神話感をいや増しています。

古典的、かつファンタスティック!
華やかで、祝賀の雰囲気に満ちた炉縁です。

縁の側面に
「八九叟 雪汀作 昭和二十一季仲春」
とぽってりした銀で記されます。(引っ掻き線がございます)

蓋裏に、
「又寛蒔絵
天平模様
炉縁

翠多
雪汀作」
と墨書きされます。

雪汀は、吹田の素封家・西尾家と深い関わりあったとみられています。
西尾家の当時の当主・11代與衛門義成氏の号が積翠ですので、
吹田→翠多←積翠の翠、なのかなと推察いたします。

擦れや引っ掻き線、小疵、小傷みはございますが、
概ね悪くないコンディションでございます。

共箱

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神戸雪汀天平模様炉縁

  
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箱蓋裏
  


箱蓋甲