胴径 約7㎝
高さ 約7,5㎝

□

木地の棗の表面に、金・銀・紫で三つ鱗文が絵付けされています。

合の重なりを含む内側は、春慶塗。
とても薄く挽かれ、断面がキリッとした素晴らしい成型です。
棗の蓋裏真ん中に「吉右ヱ門」と黒漆でサインされています。

箱の蓋甲墨書きは「高時」

蓋裏は
「高時演劇之砌
吉右ヱ門好之
山田玉鳳堂(瓢型朱印)」

「高時」は歌舞伎の演目「北條九代名家功/ほうじょうくだいめいかのいさおし」。
河竹黙阿弥の作品で、明治17年の初演。
初代吉右衛門さん(明治19/1886~昭和29/1954)も、
二代吉右衛門さん(昭和19/1944~令和3/2021)も演じています。

この「高時」の衣装が三つ鱗模様です。

山田玉鳳堂は明治28年創業の美術商。

棗蓋裏のサインと、いかにも素人の描いた三つ鱗の図、
箱書きと、作品や箱の状態から
二代目中村吉右衛門さんが、高時を演じられた時に、
山田玉鳳堂で誂え、自ら三つ鱗を絵付けされた作品と推測いたします。

《参考作品》

吉右衛門高時棗


  
□