長径 約21,5~22㎝
短径 約12~12,5㎝
高さ 約3,5㎝
このお品は、個体差がございます
1750年代前後
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京都の素封家の蔵から出たばかりのお品です。
長い辺の側面に、右から左に枝を伸ばした桜が描かれ、
その真ん中に菱を重ねた形に染付の線で窓を開け、
中に色絵で七宝を描きます。
短い辺(縦)は萩。
春秋どちらの季節にも使える意匠です。
萩の上部に朱と緑の雲を配し、古典的なアクセントとした秀逸なデザイン。
見込みは向かい合わせの牡丹。
四方の葉っぱの角をうまく器形に合わせ、四角く描かれます。
花は薄く、葉は濃い呉須。
上から金彩で輪郭を施します。
派手過ぎず、しかし豪華で上品な絵付けです。
なんといってもこのお皿の一番のポイントは、
裏面に描かれた丸。
長辺は3ツ、短辺は1ツ。
ほとんど類例のないお洒落なデザインです。
粋なお洒落上級者は、
羽織の裏に凝る、そんな感じです。
旧家が代々ご所蔵され、一括で古物市場に出品されてくるお品は、
「ウブ荷」と呼ばれ、市場の華です。
長い年月蔵にしまわれ、人の目にさらされることのなかったフレッシュなお道具達。
この場合重要なのは「家筋/いえすじ」です。
どれほどの歴史のある家から出たのか、
どのくらいの経済力であったか、
どんな趣味だったか。
本作品を旧蔵されていたお家は、よほどの素封家です。
他の道具のレベルも非常に高かった。
そして、センスの良いご趣味でした。
この長皿も、よく見かけるデザインパターンではありません。
注文して作らせた器でしょう。
箱には「にしきて ながさら廿拾人」と墨書きされています。
無傷のお皿は17枚。
その内、12枚には貫入がございます。
貫入(カンニュウ)は、表面のガラス釉にだけヒビが入ったコンディションのことです。
12枚の内、2枚は貫入が目立ちますが、
あとは、良ーく見ないとわからない程度です。
一枚の個体には、貫入の上に金を乗せて貫入を隠しています。
程度は様々ですが、どのお皿も少しガタつきます。
3枚は、畳付きに4㎜ほどの高低差があり、かなりガタつきます。
(使用できない程度ではありません)
また、縁部分の立ち上がり状態に個体差があり、
つぼまって立ち上がった印象の個体と、
広がった印象の個体がございます。
黄色・緑色の釉に剥落のある個体がございます。
骨董品をご理解くださる方に、
格安でご提供させていただきたく存じます。
ウブ感を楽しんでいただきたいので、
洗わずに、埃だけぬぐった旧蔵されたままの状態です。
現代の洗剤で洗うと、生地の白さが映えます。
17枚
+縁に約1,8㎝のホツのある個体 1枚
+割れて金繕いされた個体 1枚
オリジナル箱
¥110000
消費税・送料込
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裏銘「冨貴長春」
胎土に亀裂や穴がある個体もございます
ガラス釉がかかっていますので、疵ではございません
焼成時にくっついた異物を削り取った痕のある個体もございます
わずかな釉ハゲのある個体もございます
貫入の激しいのはこんな感じです
貫入に入った汚れは、漂白剤で落ち、目立たなくなる場合がほとんです
裏に貫入の入った個体
ほとんどわかりません
貫入の上に金彩を乗せた個体
上/つぼまった形状の個体・下/広がった形状の個体
横から見た感じ
ホツのある個体拡大画像/同別角度
割れて金繕いのある個体
一番ひどいガタつきの高台・4㎜ほど浮いています
「にしきて ながさら廿拾人」
オリジナル梱包反故紙・箱裏(重いので紐の穴が太い!)