本紙 縦90,5 ×横25,8㎝
軸装 縦170,5 ×横28㎝
紙本墨画
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酒井鶯蒲(おうほ)
文化5(1808)~天保12(1841)
酒井抱一の弟子で養子。
抱一の住まい兼画房《雨華庵》2世。
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誕生佛のまつられた祠に柄杓が渡された灌仏会の図。
下に「唯信沙門鶯蒲筆」とあります。
印章は「銓真私印」で《銓(詮)真》は、鶯蒲の名前です。
(「酒井抱一と江戸琳派の全貌」求龍堂発行・2011年/所載№256「寿老図」個人蔵同一印章)
上部に書かれた抱一の題賛「大哉破有法王」の
《破有法王》は、仏教の深遠な部分です。
「煩悩がなくなると心やすらかだという執着」を破る心の法、
世の中で人生を生きること、と、私はざっくり理解していますが、
専門家の方にはどうぞ平にお許しください。
「大なるかな」とついていますので、
煩悩と共に生きることを掴むのは大きなことだなあ、(それが豊かな人生じゃないかなぁ)
でしょうか。
抱一の雨華庵の《雨華》は、
「大願成就した時に蓮華が雨のように天から降り注ぐ」が、根拠諸説の一つ。
落款は「野衲抱一題之」。
僧侶の端くれの抱一がこれを題した、です。
抱一は、養子の鶯蒲を愛しみ、
席画を合作したことも多かったとされています。
絵師としての作品ではなく、
仏に深く帰依する者として、子の画作品に賛をしたのでしょう。
深遠な内容をポップに表現した、響く人にだけ響く作品です。
画の右下にシミがございます。
本紙に折れ、引っ掻き跡がございます。
上下一文字は金襴、
中廻しは竹屋町裂が贅沢に使用されています。
軸先は象牙。
上質な表具です。
軸装に虫食いの修理痕(特に向かって左側)、
他にも経年による汚れ傷みがございますが鑑賞に支障はございません。
風帯に悪い折れ癖があり、裏に虫食いがございます。
画像でご確認ください。
時代箱(欠損部あり)
¥132000
消費税・送料込
竹屋町裂
風帯コンデション
軸先
虫穴修復痕
風帯のコンデション・折れ癖
底の一辺が欠損しています