本紙 約115,5 ×32,7㎝
軸装 約199 ×45㎝
絹本金彩

武藤山治
慶応3年(1867)~昭和9年(1934)
実業家
尾張国出身

「運用の妙 壹心に存す」

出典は、宋史 巻365 岳飛伝。
陣而後戦 兵法之常
運用之妙 存乎一心

陣して後戦うは兵法の常なり
運用の妙は一心に存す

準備を整えてから戦うのが、戦う時の当たり前。
どう生かすかは、人の心ひとつにかかっている。

真っ黒な墨で、伸び伸びと大胆な書姿です。
かなり右上がり。

「存」の字の下に、
薄墨で跳ねる兎が描かれています。
輪郭を描かない没骨(もっこつ)法で、
濡れているうちに濃い墨を部分的に加える「垂らし込み」が施され、
琳派の技法です。

振り返る姿、前脚の描写、躍動感、
非常に上手い絵です。

左下に書かれた「山治」の落款に捺された円印は、
大きな丸の上部に文字を位置する琳派で使用される印章に倣っています。
「方祝」印などで、ご覧になったことがある方も多いと存じます。

垂らし込みで描かれた兎
特徴的な大きな円印
更に、書の下に金泥で波線がおおらかに引かれていることから、
この方は、琳派に私淑していたのかもしれません。

まず絵を描き、
その上から書をしたためています。
存在感抜群の一幅です。

江戸幕府最後の年に生まれ、
福沢諭吉に憧れて慶応義塾で学び、10代でアメリカ留学とかの地での労働を経験。
激動の時代を生きた実業家、思想活動家「武藤山治」。
ご維新のあと、世の中を創りながら身を立て生きた人にとって、
中国史上最も愛されたともいわれる武将・岳飛の言葉は、
今私が感じる以上に大きな意味を持っていたでしょう。
書が絹本から抜け出て、歩き出して来そうです。

本紙のところどころにシミが大きく出ています。
軸装に白斑がぽちぽちとあります。

象牙軸先
共箱

¥85000
消費税・送料込

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武藤山治筆運用



 
特にシミの激しい箇所
 

蓋裏に、旧蔵者の貼ったカタログの切り抜き