本紙 24 ×25,8㎝
軸装 115 ×42㎝
絹本著色

箱書きには「土佐光芳筆」とありますが
土佐光芳は元禄13年(1700)~明和9年(1772)の人ですので
絹本や描き方が若過ぎます。
光芳ではないようです。
江戸後期の土佐派の絵師の作品と思われます。

平家物語巻四「橋合戦」の一場面です。
以仁王の乱において、一度は三井寺へ逃れた源頼政らが、
南都(奈良)に逃げる途中、宇治の平等院が戦場となります。
追撃する平家軍に備え、
宇治橋の橋板を三間引っ剥がして、以仁王らは休んでいます。
平家軍は押し寄せて、
板のない橋から先陣二百余着騎も川に落ちて流れたと、平家物語には書かれています。
この絵の橋も板が半分ありませんね。

そして、三井寺の浄妙房明秀が名乗りを上げ、
まずは矢で、更に長刀で大活躍。
浄妙さんの後ろにいた一来法師が、前に出たくて
「あしう候う、浄妙房」
と「肩をづんど踊りこえて」戦う。
まさにその場面。

鎧の絲の一本一本、
美しい文様の細部までが
色鮮やかな絵の具で丁寧に描かれています。
浄妙房の困り顔がイイ表情。

余白に金が掃かれて優雅です。

上下の一文字と風帯は唐草金襴
中廻しには凝った菖蒲模様の裂が使われています。
端午の節句の設えですね。

本紙にごくわずかな汚れ、
中廻しにほんのわずかな汚れと
天部の裂に1cmほどの虫食い
2㎜径の黒子状の汚れがございます。
天部の裂上部は薄っすらシミがかかり
僅かなホツレや、目立たない虫食い跡がございます。
(鑑賞には差し障りありません)

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中廻しの汚れ

中廻しは一枚でなく、切り貼りされた部分があります。この裂に強いこだわりを持って表具されたことがうかがえます。

軸先

天部虫食い画像

天部の汚れ画像