一番幅広口径 約13,5㎝
幅狭口径 約12,3㎝
高さ 約8,3㎝
江戸時代初期
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フランケンシュタインのような姿です。
引き延ばし過ぎて破れてしまった茶碗を、
そのままくっつけたんですね。
筆洗型と同じように、
口縁に段差ができています。
古萩の茶碗で有名なのは、
口縁の180度対称の位置に段差があり、
高台が五弁の桜高台の筆洗型茶碗ですが、
あの口縁の段差のルーツはこれではないかな、
と、想像を逞しくしたくなる姿です。
桃山時代の陶芸作品は、
大袈裟にひしゃげたり歪んだりした形や、
大胆な絵付けが特徴。
本作品は、
口縁の一辺をぎゅーっと引き延ばし過ぎて千切れてしまって、
慌ててくっつけたら、
面白い表情になりました。
カッコイイじゃない、と、
桃山の自由さ、大胆さを色濃く残した作品。
上から見ると、
お多福の顔、特に右の頬が膨らんだ輪郭です。
ニュウが一本、
9×5㎜程度のホツがあり、
古い金繕いがされています。
力強く無骨な高台。
底部分の土が厚く、手取りが重いです。
意識して歪ませようとした造形には、
不自然さが伴い、いやらしい感じがするものですが、
やり過ぎてしまった!でも成立させよう、
の生命力の強さとか、
ウイット・可愛げが、
本作品には感じられます。
桃山の雰囲気に相応しい、
片身替りの仕覆が誂えられています。
時代箱
(蓋裏の桟が一本欠損しています)
¥250,000
消費税・送料込
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金繕い部分、ホツとニュウ内側
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箱蓋表裏