径 約4,8㎝
高さ 約4,8㎝

ほぼ円筒形ですが、気持ち下に行くほど細いです。
一塊の象牙を彫って、内を刳り貫き、
下方に逆瓔珞模様を施しています。
経年によって、象牙の木目の現れた素晴らしい質感です。

象牙を材とする蓋物は時々見かけますが、
本作品のように、一木から刳り貫かれたものは非常に稀です。
大抵は、貴重な象牙を無駄にしないように、
側壁部分は側壁部分、
底は底で切り取られ、
接合することで蓋物の形を成しています。

本作品を底裏から見ると、
中心から十重二十重に広がる花びらのような象牙の「目」が、
高台内底、高台、器底とつながっているのが見えます。

一番高級な象牙の芯の部分を使っていることがわかります。
贅沢な贅沢な材料取りです。

蓋も同じように、
一塊の象牙から掘り出されています。
そのために、
彫られた輪線文からヒビが生じて割れが走っています。

これは側面と天井を繋いだ安価な材料ではありえない経年劣化です。

蓋との合部分を境に、上下とも、
三本の輪線、一本の輪線が極く細く施されます。
古い水瓶や銅器などに施される装飾に近似しています。

瓔珞のモチーフなども考えあわせ、
元々は仏具であったかもしれません。

内側は金が施されています。
本体の底は、金の下地の黒漆がぷつぷつと浮いています。

蓋裏は、円周状の割れに金の修復痕がございます。

線で施された瓔珞の小さな○模様は、非常に小さなコンパス状の器具で彫られた様子で、
日本の技法ではないように思います。
内に施された金の状態と合わせて考えますと、
南方からの舶来品であった可能性が高いです。

非常に心地いい手取りの重さ。
茶箱や茶籠の薄器にピッタリと存じます。

時代箱

¥110000
消費税・送料込

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象牙蓋物

蓋上から/ 蓋は本体より白っぽいです
最高品質の象牙を最高の技術で成型しています
内側
底裏
蓋内側
革紐が修復延長されています
  


布がついています