約42,6㎝四方
高さ 約6,6㎝

平瀬露香
天保10年(1839)~明治41年(1908)
本名/ 亀之輔
大阪の豪商・両替商千草屋7代目
実業家・数寄者
和歌・俳諧・茶道・煎茶・能楽など文化芸能に精通
道具目利きとして非常に名高い人物。
3回行われた平瀬家道具入札において、
その旧蔵品は数寄者の垂涎の的となり「平瀬相場」と呼ばれる高値で取引されました。
現在、根津美術館がご所蔵の重要文化財《花の白河硯箱》は、
第三回平瀬家入札で、根津青山が落札。
これによって青山は古美術蒐集家として天下に名を轟かせたのです。
同じく根津美術館ご所蔵の重要文化財・青井戸茶碗 銘柴田も、平瀬家旧蔵。

長く水流に晒されてやつれ、味わい深い姿を見せる材によって作られた炉縁です。

側面の一辺に「小谷氏籞(いけす)舟繋杙(くい)也 露香(花押)」
と露香の筆による墨書き。
露香の花押は、不昧公の花押に似ていますね!

箱の蓋甲の題は「繋杙炉縁」

蓋裏は、
安政元年四月此那尓者に/ 1854年四月 ここ なには(わ)に
東呉とい遍る柏戸乃業越/ 東呉といへ(え)る柏戸の業を
飛ら幾しこ露いけ不祢乎/ ひらきしころ いけふねを
徒奈きと免し具ひの婦留木/ つなぎとめし くいのふる木
毛て古能〇尓つく里/ もて この〇につくり
記念と盤/ 記念とは
なしぬ
小谷翁に かはりて
露香しるす
明治三十四年 六月

「柏戸の業」の意味は分かりませんが
(私の読み違えかもしれません)
とにかく、大阪で創業57年を迎える商売をされている小谷氏の、
創業当時に池で舟を繋いでいた杭(杙)で作って記念とした、
記されています。

確かに、内側が膨らんでいて、元々丸太であったことがわかります。
傷んで平らになったところがありますので、
それは綱を結んだ位置で、擦れて摩耗した箇所かもしれません。

極侘び。
時の経過と繰り返された日常しか作れない美しい木の姿。

露香は巨額な大名貸しもした大阪有数の両替商の主人ですが、
商売にはかかわらず、風流人を極めた人です。
趣味がとても多く、どれも玄人はだしで(茶の湯に於いては官休庵11代一指斎没後家元後見をしたほど)
文化レベルの極めて高いディープな社交と芸術耽美に生きた人でした。

同じ大阪の老舗の主人との交友の中で、
その老舗の創業当時に関わる古材をもって炉縁を作らせ、
相手を喜ばせたのかもしれません。
粋な風流人ならではの、別格に趣のある炉縁です。
箱裏の銘から、露香が
大阪の指物師・二代芦田真阿(本名真七/1870~1928)に作らせたことがわかります。

露香に筆はとても細い優雅な崩し字。
面が大きいな炉縁の箱の蓋裏いっぱいに記され、
ひとつの書作品として鑑賞されるに値します。

ところで露香さんは、夕方起き出して、
その見識に触れようと集まる大勢の文化芸能の関係者と飲み食いし、
お客が帰ってから読書に耽り、
《蝙蝠大尽》とあだ名されていたんですって。

¥220000
消費税・送料込

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平瀬露香 繋杙炉縁

  

平瀬露香 繋杙炉縁蓋甲/ 向かって左側の材は後補と思われます蓋裏
平瀬露香 繋杙炉縁
下の桟は後補です
  
箱裏面