本紙 36,7 ×58,8㎝
軸装 152 ×74,2㎝
紙本着色
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津田青楓
明治13年(1880)~昭和53年(1978)
京都生まれの画家で書家、随筆家、歌人。
兄は華道家の西川一草亭。
最晩年の夏目漱石と親しく、漱石の「道草」「明暗」の装丁は青楓の手によります。
パリに留学し、アールヌーヴォーの影響を受けた作品です。
洋画を描いた時期もあり、人生の後半では、日本画を描いています。
青楓の日本画といえば、
籠に盛られた花が代表的なスタイルですが、
本作品は珍しく、本紙に扇面の窓を描いた装飾性の高い作品。
武蔵野で芒のバックに銀の月があるように、
杜若の群生の後ろから、大きな金の日が顔を覗かせています。
大胆な構図です。
萼(がく)から出る花弁はとてもリアル。
あでやかな花弁の紫は、色を重ねた紫の下から桃色がジワリと現れ、独特な表現です。
日本画→洋画→日本画と、遍歴した青楓が行き着いた、
独自の画法。
ちょっとだけ、ゴッホのアイリスが頭に浮かびます。
葉っぱの色味も似ています。
琳派的でもあり、ゴッホ的でもある、面白い作品です。
象牙軸先
自題共箱
本紙にシミがでています。
軸装の両端も変色がございます。
上下一文字、風帯は上等な竹屋町裂ですが、シミの出た部分がございます。
画像でご確認ください。
¥45000
消費税・送料込
本紙のシミ・汚れ
風帯のシミ
軸装の変色