本紙 103 ×30,3㎝
軸装 180,5 ×32,4㎝
紙本

瑞厳宗碩
(ずいがんそうせき)
明治12年(1879)~昭和40年(1965)
大徳寺503世
大徳寺9代管長
号・蔭凉軒
俗性・後藤

「壺中日月長」

出典は虚堂録。
虚堂智愚(きどうちぐ/1185~1269)は南宋時代の禅僧。
日本から入宋しその教えを学んだ南浦紹明(なんぽじょうみょう/大応国師)の法嗣が、
大徳寺開山の大燈国師ですので、
大徳寺503世の瑞厳さん的には、大大大先輩の言葉を書いています。

虚堂智愚の墨蹟は鎌倉時代から非常に重んじられています。
「法語」(破れ虚堂/東博蔵)は国宝。
「二首偈」(五島美術館蔵)、「与徳惟禅者偈」、「偈語/宝祐甲寅秋」(徳川美術館蔵)は重文です。

只知池上蟠桃熟
不覚壺中日月長

が出典です。
蟠桃は、三千年に一度実る不老長寿の桃。

伝説の桃が熟したことを知るだけです。
別天地では時間が経つこともわからない。

「壺中」は悟りの境地の喩えとも、別天地とも解釈され、
そうすると、
悟りの境地にあると時間の概念はなくなるんだ、となります。
「壺中」を自分の世界をすると、自分の世界感を確立すると時間は悠久なものなんだ、とも解釈できます。

禅は不立文字です。
それぞれ見る者がしっくりくる意味でよいと思います。

後藤瑞厳禅師は、裏千家15代鵬雲斎(1923~)さんの参禅の師。
名付け親としても知られています。
淡々斎さんは鵬雲斎さんの父ですので、
作品の箱書きは自然なことですね。

お茶の世界に入り込んでいると、
空気も時間も、日常のそれとは隔絶し、
清澄で充実した世界となります。
そのことを表していると考えることもできましょう。

本紙の落款部に、凹凸による紙の瑕疵がございます。
他のコンデションは概ね良いです。

禅僧らしいシブいモミ紙表具。
表具紙に色の抜けた部分がございます。
画像でご確認ください。

お茶会だけでなく、普段に掛けて、対峙していただくのにも良い言葉です。

¥55000
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後藤瑞厳筆壺中日月長


 
表具コンデション
「叟」の部分左に凹みがございます。
塗軸先
裏面
  
箱蓋裏に淡々斎箱書き/ ちつ

蓋に凹みあり