口径 約14,5~14,8㎝
高さ 約5,6㎝

楠部彌一
くすべやいち
明治30年(1897)~昭和59年(1984)

京都の陶器工場を営む家に生まれ、
京都市立陶磁器試験所に学び、
陶芸家として、パリ万博、帝展などに作品を出品。
高い評価を得て、
昭和53年に文化勲章を受章されています。
京焼の巨匠です。

「印華」は、
型で捺して胎土を凹ました部分に、白土を埋めて模様を現した、
所謂三島手のこと。

華奢な花の上下左右に、これまた華奢な葉を伴った花文を
器の内側三方にあしらっています。
口縁に細い罫線を施し、その内側に、細かなレース模様。

凹ませて模様を描き、上から白土を掛けてすっかり拭き取ると、
凹みだけ、残った白土で模様が白く浮き上がります。
可憐な文様です。
見込みに、細い円を彫って白土の正円が設けられ、
優しい意匠をキリっと〆ています。

外側は大胆な刷毛目です。

高台は、
1670~90年代の江戸時代前期の伊万里に似たフォルム。
高台の外側の角度が立っていて、
内側はややなだらかな角度に成形されています。

高台内9時の位置に「彌弌」の印銘。

レースのハンカチを思わせるデザイン。
かなり開いて平茶碗に近い形です。
暑い季節の一服に。

八木一夫さんの作風に似た感じです。

彌一は、ほとんど天才的な陶工。
色んな作風で、様々なお品が作れました。
一代限りであったのも、
このような天才は、めったに現れるものでないことを端的に表しているように思えます。

京都の、平安神宮への神宮道に彌一の家が残っています。

仕覆付
共箱

¥80000
消費税・送料込

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楠部彌一作印華茶碗
  

 


 
裏/ 印銘    


 
蓋表(一か所凹み疵がございます)/ 蓋裏

箱側面にシール有り