長径 約6,8㎝
高さ 約3,5㎝
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金森得水
天明6(1786)~元治2(1865)
伊勢・田丸城主久野家(紀伊徳川家家老でもありました)の家老。茶人。
表千家十代吸好斎に学び、奥儀を極める。
「本朝陶器攷證」を著わすほどの目利きでもありました。
古式泳法の名手であったことから
「水を得る→得水」と号し、花押は亀のデザインです。
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う徒し三ん /うつしみん
むかし能人の /むかしの人の
数奇〇ら泳 /数寄・・・
ふ多見の浦乃 /ふたみの浦の
かひ能鏡耳 /かいの鏡に
得水
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二枚貝の内側に金泥が施され、
蓋裏に朱漆で得水の花押が大きく書かれています。
平安時代からの伊勢の名勝《二見浦》と、
香合の素材である鏡貝の《鏡》を詠み込んだ歌を、箱蓋裏に記しています。
貝の表面には、年月を経て成長することでできる幾重もの筋がありますが、
「昔の人の数寄の」歴々の年月が刻まれていることの目に見える姿にも思えます。
華美な美しさではありませんが、
深い意味を内に持った、通好みの香合。
得水は、本居宣長の養子で紀州徳川家に仕えた本居大平に学んでいます。
文武両道で、茶の湯も極めた優れた人物だったんですね。
かっこいい花押にせず、亀を使ったところも、
ウイットに富み、人間的に大人な感じです。
共箱
¥58000
消費税・送料込

内側の金泥は縁から擦れのある箇所がございます

箱蓋裏/表に得水の筆墨書き
蓋表に後で書かれたらしい英語の表記がございます


下部分裏側
箱の外側は汚れがございます

箱の内側に赤い粉がついています
