横46㎝ 幅約18㎝
紙本淡彩

この作品は、実際に使われていた扇を
観賞用に広げた作品。

山の、向かって左の斜面を、筆を寝かせた太い墨跡で描いています。
重要文化財「東山清音帖/とうざんせいいんじょう」の
《烟浦帰帆》に近い描き方です。

右の題字とのバランスが素晴らしい!

山の斜面に注された透明感のある青色と
上質な墨の太いラインが
美しい積雪を見事に表現しています。

前景の枯れ木の林に
馬に乗った旅人がやってきました。
彼が目指すのは、
山の麓に高く旗を掲げる楼閣でしょう。

観る者を物語の世界に引き込む
素晴らしい作品です。

「關山積雪 霞樵」

《霞樵》朱文聯印
この印章は、30才代から生涯使われ、
もっとも使用頻度の高い印章の一つです。
池大雅作品集(昭和35年中央公論美術出版)掲載の画作品では、
682作品中146作品に使用されています。

款記により、はっきりしている一番早い制作年は、
「渓居消夏図」
明和2年(1765)、大雅43才の作品で、
本作品と同じく扇面に描かれています。
一番遅い作品は、
「開門待友図」
安永2年(1773)、51才の作品で、
この款記は、上記《池大雅作品集》掲載作品の中で一番晩年の款記です。
大雅は1776年に亡くなっていますので、
最晩年です。

重要文化財「東山清音帖」は、
その筆致から、50才頃の作品と考えられています。
本作品も、同時代、最晩年の作品と思われます。

大雅さんは15才で、扇に絵を描くことから
絵師として身を立てました。
大雅さんの原点でもあり真骨頂の扇面画。
ご堪能下さい。

右から2扇と左から5扇は欠損して別の扇が補われています。
他にも傷みが激しいです。
画像をよくご覧ください。

実際に使う扇に描かれていて、紙に硬い加工が施されているために、
軸装して巻くことができませんので、
春峰堂の空額に入れてあります。
軸装も額装もされていない
台紙に貼られただけの状態です。

参考作品

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池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵・九霞、他

京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲と並ぶ、大人気アーティストです。
20才代ですでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に贋物が存在しています。

近世の絵師で、
国宝・重要文化財に指定されている作品は大雅が最も多いことは、
現在ではあまり知られていません。
文化庁にも数多くの大雅作品が収蔵されています。

川端康成、梅原龍三郎、谷川徹三ら
一流の文化人、画家たちも大雅に魅了され、
その作品を愛藏されていました。
国宝に指定されている「十便十宜図」は川端康成さんの旧蔵品です。

右から2扇は別紙後補

左5扇別紙後補