本紙 123 ×30,5㎝
軸装 205 ×42,2㎝
紙本墨画
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山本春挙
明治4年(1872)~昭和8年(1933)
明治から昭和初期、
京都画壇を代表する絵師。
初めは四条派の野村文挙に入門し、
その後、森寛斎に学んでいます。
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春挙の作品のほとんどは風景画です。
本作品のような人物画、
特に女性をモチーフにした作品は珍しいです。
歩みを進める途中、
なにか振り向く瞬間。
翻る袖が、
早い筆致で描かれています。
帯の下に少しだけ出っ張ったお尻から、
柔らかモノのきものに現れたふくらはぎの見事なライン。
一瞬の動きを捉えた素晴らしいデッサンです。
きものの柔らかさと対照的な、
薄い墨で描かれた帯の堅い線によって、
上等な帯の張り感が伝わってきます。
あっさり描かれていますが、
日本髪の表現も見事です。
春挙は京都で活躍した画家ですので、
祇園でよく目にする光景だったかもしれませんね。
春挙の代表作は雄大な山岳風景や、
男性的な強い表現の樹木ですが、
こんな、肩の力の抜けた粋な絵も
上手いんですね。
ちょっとだけ覗く団扇や、
きものの裾の源氏車模様。
涼し気な、
粋な夏の掛物です。
一文字と風帯は水を表す渦巻き模様。
中廻し裂は、
金銀の糸で登り龍が織り込まれています。
本紙に虫食い穴を修復した跡と、
上手出ない表具によってできた皴、
軸装に小穴がございます。
画像でご確認ください。
無地二重箱付
¥60,000
消費税・送料込