長さ 約29㎝
最大径 約7㎜
昭和15年

合わせ目部分の断面に波を付けた一枚の黄銅を
くるっと巻いて、作られています。
抜けた部分が龍のように見えることから、
《龍透》と表現したのでしょう。
頭部分に銀が張られています。

龍文堂安之介は、
江戸時代から続いた、京都の鉄瓶製作の匠です。
特に、明治・大正期には、
高級鉄瓶ブランドとして、高い評価を確立しました。
鉄瓶以外にも、金属製品を制作しています。
資料によると七代が昭和7年に没していますので、
本作品箱の蓋裏に墨書きされた「戊辰」は、
昭和15年と推察されます。

よくみると、
透かしで生まれた龍の模様は、
一つ一つ微妙に異なっていて、
約1㎜の黄銅板を手作業で波型に切ってから、
丸めてぴったりと閉じて作られたことがわかります。

黄銅には龍の皮のような加工が施され、
箸の先端の刻みは、鱗のようです。
頭部分に張られた銀。
よく見ないと気づけないところに、
高級素材を持ってくるところが通好み。

お客さまには一瞬しか見えないお品に手を抜かないのが、
茶の湯上級者。
ワンランク上の贅沢です。

二つ入手いたしました。
一つの箱書きは、
《黄銅龍透銀頭張技火箸》の
《銀》の文字を入れ忘れています。

共箱

¥27,500 / 1具
消費税込・送料別

【甲】

【乙】


《黄銅龍透頭張技火箸》