本紙 16,5 ×13,8㎝
軸装 146 ×42,9㎝
紙本
□
吉田茂
明治11年(1878)～昭和42年(1967)
第二次世界大戦の終結後に、
サンフランシスコ平和条約に内閣総理大臣としてサインした人として、
歴史に名を刻まれる政治家。
アメリカとの安全保障条約を結んだことでも、
5度も内閣総理大臣を務め、
最後は「バカヤロー」の発言がきっかけで内閣解散したことでも、
有名な方です。
□
守清虚
素涯書
□
「清虚」は、
心が清らかで、汚れなどがまったくないこと。
心が潔白でわだかまりのないこと。
またそのさま。
清虚を守る。
非常に美しい書姿です。
そして、実に繊細です。
飾りがまったくない。
筆が紙に触れた瞬間から、
言葉の終わりに紙から離れるまで、
ずっと黒々と墨を湛えます。
葉巻をくわえた胆の据わった写真のお姿や、
GHQとも、自身と政治経済の哲学を異とする人々とも
真っ向から戦い、決して折れなかった逸話から、
豪快な書を想像しますが、
全く違っています。
密度の濃い墨を用い、
丁寧で、
一字一字がわきまえを持った、芯の通った書姿です。
多くの資料を読み込んだわけではありませんが、
戦争中から戦後の氏の行動を読むと、
まさに吉田茂氏自身が、
清虚の人であったように思われます。
でなければ、
もともと貴族院議員だった経歴の人が国会で
「バカヤロー」
と言葉を発することはないでしょう。
「素涯（そわ）」
は、氏の号です。
《吉田茂印》白文方印
《素涯》朱文方印
本紙にごく僅かにシミが出始めています。
無地箱
色紙を軸装した際に誂えたものと思われます。
側面に汚れがついています。
画像でご確認ください。
￥150,000
消費税・送料込
□
箱側面の汚れ
