本紙 縦125 ×横29,8㎝
軸装 縦186 ×横44㎝
紙本

会津八一
明治14年(1881)~昭和31年(1956)
歌人・書家・美術史家
新潟県新潟市出身
雅号/秋艸道人・渾斎

「始随芳草去 又遂落花回」

草花の香りに誘われて出かけていって、散る花を追いかけて帰ってきたよ

出典は碧巌録第三十六則。
夏目漱石が好きだった言葉としても知られています。

「碧巌録」は北宋時代に雪竇重顕(せっちょうじゅうけん)が編んだ公案集に、
圜悟克勤(えんごこくごん)が解説を加えた禅の教本です。

歌を書く時には、ほとんどひらがなだけで書いた八一ですが、
本作品は出典の通り漢字だけで書かれています。
一文字一文字が非常に大きい。
筆の肥痩ではなく、文字の持つ自然な姿を引き出した 非常に強い線の力。
八一の書は、言葉の持つ意味を、見る者に有無を言わさず突きつけます。
目にするだけで、喝を入れられてしまうのです。

「花」
の文字が、特にたっぷりの墨でいたずらな表情をみせ、
続く「回」が、シュッと端正な文字姿で終わらせています。

品があって、自由で、強くて、生命力に満ちた作品です。

本紙にシミが出始めています。
折れもございますが、概ね良いコンデションです。
画像でご確認ください。
あまり上質な軸装ではございません。

宮川寅雄
(1908~1984/会津八一の弟子。美術史家)
の題字鑑定箱

¥275000
消費税・送料込

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会津八一書始随芳草去遂落花回


 


   
シミの状態

裏面/ 巻き留めに貼られた口巻きの紙が切れて途中から欠損しています