約17,4㎝
剣先型・折撓
逆樋・二本樋
直腰・中節
四刀

小堀遠州作の茶杓、銘《有馬山》は、
高原杓庵の「茶杓三百選・弐」の筆頭に紹介されるくらいの大名物。
大徳寺・孤篷庵什物。
杓庵の説明文に
「竹質は必ずしも遠州風の美杓ではない、サビ竹であるが、カイサキの撓め方に特別の趣致を在し、
撓めどころ極めて薄く、それが、竹の皮のごとく、ヒラリと飛躍して、いわゆる有馬山型なるものを提示した。
節は面取して、節下にソギ目を見せている(以下略)」、とあり、
本作品はその約束にぴったり合っています。
本歌の寸法は五寸八分、約17,57㎝。
本作品はほぼ同寸です。

本歌の筒はシノギ削り(総けずりってことか)で、正面に遠州の筆で
「於摂州有馬湯作ル 孤篷宗甫」
右側面に江月の筆で
「有馬山竹何不用鞭
忽爲茶具易然々々」
と書かれていると、杓庵は写真を載せています。

本作品の筒は上側から5面、半分から下は4面に面取られ、かなり変わっています。
茶杓について記しておきたいことを、全部筒に書くために、
スペースが作られた感じです。

正面の一筋は上から下まで貫かれ、
「大徳寺孤篷庵有傳遠州作茶杓銘曰」と書かれます。
その左下に「大徳寺龍光院住持」
左上「有馬山頃日谷垣君依」
左下「〇摹作之杓贈」
左上「因余銘之曰小有馬」
「昭和五十三年十月吉日 由来書如斯」

上から見ると面取りされた五角形で、筒の上に「天」
下から見ると面取りされた四角形で、「地」
と墨書きされています。

櫂先は優しく折撓められ、折り目はぺったりと平べったい姿です。
節から下は表面の皮が剥ぎ取られ、かなり薄い手取り。
本歌に忠実に写されています。
節の下の窪みにははっきりと、その下にうっすらと、
竹の内側の薄皮があり、表の、剥ぎ取られて色を付けられた感じとの対照が生々しいです。

筒に収めた時に、かなり上に空間がありますが、
茶杓が本歌に忠実に写されていますので、中身が変わった可能性はないと考えます。
昭和53年ですと、先代の小堀南嶺和尚様の作でしょう。

箱無
《参考作品》

龍光院住持作茶杓 遠州作有馬山写


龍光院住持作茶杓 遠州作有馬山写

龍光院住持作茶杓 遠州作有馬山写

 龍光院住持作茶杓 遠州作有馬山写

龍光院住持作茶杓 遠州作有馬山写

参考資料/高原杓庵「茶杓三百選 弐」7頁