口径 約12,3~12,8㎝
高さ 約6~6,2㎝
高台径 約3,8~4㎝
個体差がございます

永樂和全
文政6年(1823)~明治29年(1896)
永樂善五郎(土風炉・焼物師)十二代

土風炉師であった西村家が、茶道具を中心に焼物を作るようになったのは、
十代了全の時代から。
十一代保全の時に紀州徳川家の御庭焼で優れた作品を作り、
殿様(治宝公)から「永樂」の印を賜り、
「永樂」を名乗りました。
非常に優れた腕を持ち、様々な焼き物の写しを作りました。

保全の子和全は、仁清の窯跡に御室窯を開き、仁清写しの作品を数多く制作します。
保全と和全は不仲であったそうですが、
幕府が倒れ、新政府が樹立し、外国の文化・政治経済システムが怒涛のようにやってきた新しい日本。
大混乱の世の中で、前向きに焼物に取り組み過ぎて借金が嵩んだ保全さん。
なんとかしていかねばならなかった和全さんのご苦労や思うべし。

本作品は、ただ天目の数茶碗というだけでなく、
野々村仁清作の天目茶碗の写しと考えられます。

淡交社の「茶の湯の茶碗 第四巻 和物茶碗Ⅱ」(令和4年)
に掲載される仁清の天目茶碗は、口径13,1㎝・高さ6㎝・高台径4,5㎝。
本作品はそれにかなり近いサイズです。
高台周辺の釉薬の下のラインをほぼ水平していることや、
高台の周囲が5㎜ほど水平に削られていること、
高台の内側の造形などもとても良く似ています。
上記書籍掲載作品の仁清の天目茶碗は、口縁に覆輪状の白釉を施していますが、
本作品ではやはり覆輪を模し、銀が施されています。

仁清の天目茶碗の高台には「三玄」の墨書きがあり、
大徳寺三玄院の旧蔵で、総数は百客近いと推測され、
儀礼で使われた天目茶碗であったそうです。

古典を写すということは、
少なくともオリジナル作品に匹敵する作陶技術がなければ作れません。
本作品のあまりに端正な高台・高台脇の水平や、高台内をさっと一周だけ浅く巡らせた箆痕、
完璧な天目の姿。
仁清はもちろん、仁清でなければ作れない陶芸技術と圧倒的な美的センスを持ち合わせた天才ですが、
和全も天才だったのだろうと思います。

もともと十客組で、現在は五客です。
完全に無疵は一客、高台に針で突いた程度のホツ有りが一客。
口縁から1,5㎝程度のニュウがあるのが一客。
二客は、欠けて、雑な補修がされています。
仔細をご覧ください。

五客組・共箱
¥350000
消費税・送料込

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❶ 高台に針ほどのホツのある個体
永樂和全作天目茶碗

永樂和全作天目茶碗




永樂和全作天目茶碗 
針ホツ部分

窯疵有り
永樂和全作天目茶碗
口縁に施された銀

❷ 無疵の個体
永樂和全作天目茶碗

永樂和全作天目茶碗

 
見込の茶溜まりも高台内の削りも、見事な造形
  

 
二か所に釉が掛からなかった小穴有り

❸ ニュウのある個体
永樂和全作天目茶碗  

 

 
約1,5㎝ニュウ部分内側・肉眼で見た姿/ 同じ個所ブラックライト照射時
 
ニュウ部分外から

ニュウ部分に線を引いています

❹ 疵修復個体
永樂和全作天目茶碗 

永樂和全作天目茶碗 
欠け修復部分ブラックライト照射画像
永樂和全作天目茶碗

 
疵有り面/ 疵なし面

❺ 疵修復個体
永樂和全作天目茶碗疵の面

 
大きな疵

疵部分に線を加えました

 
箱表書き無し
 
蓋裏(旧蔵者のメモ張り付け)/ 箱内
永樂和全作天目茶碗