長径 約17,5㎝
短径 約12㎝
高さ 約3㎝
1660~80年代
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大変に珍しいお品です。
まず形が珍しい。
様々なモチーフを模った皿が
(葉っぱとか、瓢箪とか、分銅とか、色紙とか)
初期から古九谷手の時代には作られました。
しかし、このお品のように
本物の姿を忠実に写したお品はほとんどありません。
このお品の
葉から繋がる葉軸は細い円筒形。
本物の蔦の葉と同じ立体形で作られています。
普通は、お皿型に平面的に作るんです。
次のレアポイントは
お皿の表面に散らされた白土。
もう少し後の1680~1700年代の優品に
型枠で形を作った白土をお皿に乗せて模様をつけた作品が僅かにあるのですが
この作品のように
白土を散らして作品の表面を装飾した作品は
ほとんどありません。
白土が厚く乗りすぎて
剥落した部分は穴が開いています。
三つ目のレアポイントは
作品の裏側面に描かれた
蝶の絵。
このような主役となりうるモチーフは
通常は表に描かれます。
また、この蝶の触角の長いこと!
きっと、この絵付けをした職人は
お皿を裏からみたら蝶の形だった。
だから蝶を描かずにはいられなかったんです。
高台があるので大きくは描けない。
だから、触角だけでも長ーく描いたんです。
裏の見込みの《青》は
この時代にのみ、描かれた銘の一つです。
「オレが描いたよ」
って印だと、
私は考えています。
非常にキレのある成型、
高台も鋭角に付けられています。
実際の呉須はやや紫がかったエレガントな色調です。
葉軸の付け根から勢いよく広がるダミは
水を表しているのでしょうか。
散らされた水滴が、そう想像させます。
暑い日に冷たい和菓子を乗せたら
お客様に粋な清涼感をお届けできそうです。
白土が剥落し、虫喰いのように穴のあいた部分がございますが
キズではありません。
ややアガリが悪く、
縁部分に黒ずんだところがございます。
一ヶ所直っています。
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