色紙 縦14,1 ×横11,4㎝
軸装 138 ×37,9㎝
紙本
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松平不昧
寛延4年(1751)~文政元年(1818)
出雲松江藩十代藩主
破綻寸前だった松江藩の財政を再建した名君として、
また、茶人としても名高い。
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けさハ又 すすきをしなミ
ふるゆきに かれにしひとの
あとだにもなし
(とどむべき)
さとハあれて 人もといこぬ
ゆうくれの まがきを山と
つもるしらゆき
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すすきをしならせながら今朝降った雪が、
来てくれなくなったあの方の足跡まで消してしまった。
荒れた住まい 人も訪れてこない夕暮れ。
垣根に新雪がこんもり積もってる。
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雪の降る日の庭を詠む歌二首。
一首目は朝、
二首目は夕方です。
どちらも、
会いたい人が来なくなった辛い胸の内を、
美しい雪景色に写しています。
箱の表に
「大円庵宗納翁筆」(以下判別不可)
蓋裏に
「定家公 俊成卿両筆」
と書かれています。
「大円庵」は、
大徳寺の塔頭・孤蓬庵に不昧公が建てたお茶室で、
亡くなる前年にお茶会もされているそうです。
幕末に焼失し、近年再建されました。
不昧さんの戒名は「大円庵不昧宗納大居士」ですので、
箱書きの「大円庵宗納翁筆」は不昧公筆、の意です。
孤蓬庵は小堀遠州が作られた建物で、通常は非公開。
方丈、茶室・忘筌(ぼうせん)、書院・直入軒(じきにゅうけん)は、
遠州がその美意識を形にされた建物ですが、火災に罹って、
遠州を敬愛した不昧公が再建されました。
現在の建築は重要文化財です。
不昧公は、再建した敬愛する遠州の塔頭に、
ご自分のお茶室を加えられていたんですね!
上下一文字と風帯は印金です。
軸装に傷み・虫穴がございます。
画像でご確認ください。
¥250,000
消費税・送料込
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箱にも虫食いや傷み修復跡有り