本紙 約103 × 47,3㎝
軸装 約176 × 53,5㎝
紙本

自言轉腕無所抅
大咲王羲之陳図

唐時代の魯收の詩
《懐素上人草書歌》の一節です。

草聖(草書の神様)・懐素を絶賛した歌の中の2節だそうです。

懐素(725~785)は、
中国唐時代の僧で書家。
彼の作品《草書千字文》は宋の徽宗のコレクションが、
現在は台湾の故宮博物院のご所蔵です。

この14文字は、
懐素は言ってる、
「オレの腕は何にも捉われれることなく自由自在、
大笑いしてるよ、王羲之は、筆陣図を用いて書いてる
(捉われまくって書いてる)」と、
の部分です。

非常に自由な書姿です。
懐素のいう
「轉腕無所抅」そのものです。

魯收が懐素を絶賛したのと、
大雅も同じ気持ちであったことでしょう。

その気持ちが、自由自在な書き振りに表されています。

江戸時代、大雅の書はお手本として出版されるほど、
人々の憧れでした。
贋物も、似ても似つかぬものから、
かなり上手いものまでとてもたくさん出現します。

しかし、これほどまでに自由自在な姿でありながら
踏み外さない作品は大雅にしかできない仕事です。

自由な大雅の書を真似て書こうとすると、
全く自由でなくなります。

「遵生」朱文長方印
「弎岳道者」白文方印
「池橆名印」白文方印

良く見ると本紙のコンディションが
非常によくありませんが、
幸いにも書部分には破れの修復跡が一ヶ所あるだけです。

鑑賞には差し障りありません。
画像でご確認ください。

軸装にも、傷み汚れがございます。

時代箱
(箱側面・蓋に後補部分があります)

¥250,000
消費税・送料込

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池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵・九霞、他

京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲と並ぶ、大人気アーティストです。
20才代ですでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に贋物が存在しています。

近世の絵師で、
国宝・重要文化財に指定されている作品は大雅が最も多いことは、
現在ではあまり知られていません。
文化庁にも数多くの大雅作品が収蔵されています。

川端康成、梅原龍三郎、谷川徹三ら
一流の文化人、画家たちも大雅に魅了され、
その作品を愛藏されていました。
国宝に指定されている「十便十宜図」は川端康成さんの旧蔵品です。

池大雅筆草書