本紙 約124,7 × 27,7㎝
軸装 約187 × 41,5㎝
紙本墨画

大雅は生涯でたくさん寿老様を描いています。
神様の中で、一番多く描いているかもしれません。
本作品は、
童子や鶴といった従者を伴わず、
どどーんと幅いっぱいに、
満面の笑み。

目線が見る者をロックオンしています。
これが、大雅の筆の凄い所かと思います。

内なるもの、本質を描き出す筆。

同時に、深刻さを丸出しにしない大らかな表情です。
こんな顔の方には嘘はつけないし、
「ワシがいつもそばにおる、安心安心」の顔。

落款と、
繊細さと大胆な筆致が混在した画風から、
40歳代前半の作品と判断します。

「前身相馬方九皐」朱文長方印
「霞樵」朱文連印

上方の賛はどなたの筆か不明です。
無駄や装飾の無い美しいお手です。

本紙に、折れ・多少のヨゴレ、虫害修復跡がございますが、
鑑賞に差し障りありません。

無地合わせ箱

¥250,000
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池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵・九霞、他

京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲と並ぶ、大人気アーティストです。
20才代ですでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に贋物が存在しています。

近世の絵師で、
国宝・重要文化財に指定されている作品は大雅が最も多いことは、
現在ではあまり知られていません。
文化庁にも数多くの大雅作品が収蔵されています。

川端康成、梅原龍三郎、谷川徹三ら
一流の文化人、画家たちも大雅に魅了され、
その作品を愛藏されていました。
国宝に指定されている「十便十宜図」は川端康成さんの旧蔵品です。


池大雅筆寿老図


 


ヨゴレ・皴のきつい部分