本紙 95,5 ×30㎝
軸装 189 ×42㎝
紙本墨画
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韓天壽
享保12年(1727)~寛政7年(1795)
書家
字/大年
号/三岳道者・酔晋斎
京都生まれで伊勢松坂の両替商の養子→主人。
江戸時代を代表する書家の一人です。
書の研究者(特に王羲之・王献之)としても、有名です。
中国から渡った貴重な書のお手本を、日本において模刻する、貴重な仕事もされています。
15歳で池大雅、高芙蓉と知り合い、
生涯の親友でした。
三人で、白山・立山・富士山の三霊山を旅して、
以降三人とも《三岳道者》と号したんです。
三人が真に友人であったことがわかりますね。
韓天壽は、
もちろん池大雅から画を学んでいます。
極めていく画ではなく、
自らが楽しんで描くことに主眼のある画です。
繊細な筆致。
迫り出した岩山も、
懸崖に生える松樹も、細く短い線を繰り返して、
丁寧に丁寧に描かれています。
絵本の挿絵的な可愛い筆です。
舟に乗る二人も、
とても細かく描かれていますね。
箕や笠の様子までよくわかります。
根を詰め、細部にこだわるのが好きだったのかもしれません。
中国の書のお手本は、
石碑などに彫られた名筆を拓本にして、
その拓本をまた上からなぞって作るんです。
元の書の姿を精密に写せば写すほど、正確で良いお手本になりますので、
韓天壽は細かな仕事に本領を発揮する人だったと想像できます。
細かな線を「これでもか」と執拗に重ねた筆による山水画の多い韓天壽ですが、
本作品は、陰影に美しい青墨(淡墨)がほどこされ、
気持ちの良い作品に仕上っています。
ちなみに、
古典籍を集めることに熱を上げ過ぎて、
家業は傾いてしまったそうです。
軸先は上質な象牙ですが、取れています。
現在修復中です。
本紙に僅かな汚れ・折れがございますが、
鑑賞に差し障るほどではございません。
時代無地箱(旧蔵貼紙有)
¥70,000
消費税・送料込
印章
可愛い筆致!
折れの目立つ部分
傷みに手が加えられた痕跡がございます
軸先を付けてからお届けします