本紙 約95,5 ×27㎝
軸装 約164 ×29,3㎝
紙本

宙宝宗宇
(ちゅうほうそうう)
宝暦9年(1759)~天保9年(1838)
大徳寺418世
号/松月
表千家十代/ 吸江斎参禅の師としても知られています。

「清風在竹林」

竹はほとんどの植物が枯れる冬も葉を落とさず、
青々生き生きと葉を茂らせる姿
真っすぐに天を目指して伸びる姿から、
古来おめでたい植物の象徴ですね。

やはり冬も葉を碧く称える松、
冬に、清楚な花を咲かせ、かぐわしい香りで人をよろこばせてくれる梅とのトリオは、
《三友》と、呼ばれ、お祝いのシンボルとして今も親しまれます。

また、真っすぐに伸び、縦にスパッと割れることから、
曲がったことを嫌う潔い精神の象徴ともされてきました。
「竹を割ったような性格」とか。

本作品は、
内に力の篭もった、ぎゅっと濃縮された書姿の中、
「風」の文字だけちょっと遊びがあります。
走り出している感じです。
「竹」の最後の一画は、まさに真っすぐに立つ竹の姿。
大袈裟でなく、
一見こじんまりと、実は強いエネルギーが閉じ込められた一行です。
上質な紙に、墨が黒々と存在を放ちます。
およそ200年前に書かれた作品ですが、
さっき揮毫されたように、生き生きとしています。

良い絵は、描かれてから何百年経っても、作品の中で人や動植物が生きています。
同じように、良い書は、何百年経っても生きていますね。

秋の清々しい日に、サーッと気持ちいい風が竹林を吹き抜けたあとのようでもあり、
寒い冬の日に、暖かな陽の差す青々とした竹林のようでもあり、
頭に浮かんだ竹林に、風が通るのがぱっとイメージできる書姿。

季節季節で、様々なものを見る者に与えてくれる作品と存じます。

松を織り込んだ上質な竹屋町裂の一文字と風帯。
裂表装です。

良い作品ですが、
欠損部に、墨を継いだ痕跡、本紙に折れがございますため、
リーズナブルでございます。
他に、風帯に折癖があることなど、
コンディションにやや難がございます。
画像でご確認ください。

時代無地箱

¥38000
消費税・送料込

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宙宝宗于一行書「清風在竹林」
 


  
墨を継いだ跡
 
風帯コンディション
塗軸先