本紙 約28 ×64㎝
まくり(軸装されていない紙の状態)
紙本
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朱楼畫壁水中開
明時代、曹学佺(1575~1646)が輯(あつ)めた
「歴代詩選」巻23にある詩の中の一部です。
オリジナルは私の調べた資料では
「壁」は「閣」でした。
先にご紹介した書①「碧樹青岑雲外聳」(SOLD)と
同じ巻物作品の断簡で、
①の七言に続く七言です。
大雅らしい伸び伸びとしてアピールのないさわやかな書姿です。
款記、関防印はなく、
「池橆名印」白文方印
「弎岳道者」白文方印
の2印が捺されます。
この2印は、30才代後半から使われ始め、40才代で非常に多く使われ、
50才代、最晩年まで使われた印章です。
ペアで捺されることが多いです。
池大雅作品集(昭和35年・中央公論美術出版)掲載682が作品の内、
64作品にこの2印がペアで捺されています。
関防印がないのは、
もともと巻物であった作品が断簡となり軸装され、
その後屏風に貼られ、切り取られたからでしょう。
巻物であった時に巻かれた状態で虫食いに遭い、
下部の同じ位置に虫害で、同じ形に穴が空いています。
江戸時代には書のお手本として版刻されるほど尊敬され、人気のあった大雅の書。
今も市場に出回る大雅作品の95パーセントは贋物です。
本物の大雅の書をリーズナブルにお手に入れたい方に!
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¥45000
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池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵・九霞、他
京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲と並ぶ、大人気アーティストです。
20才代ですでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に贋物が存在しています。
近世の絵師で、
国宝・重要文化財に指定されている作品は大雅が最も多いことは、
現在ではあまり知られていません。
文化庁にも数多くの大雅作品が収蔵されています。
川端康成、梅原龍三郎、谷川徹三ら
一流の文化人、画家たちも大雅に魅了され、
その作品を愛藏されていました。
国宝に指定されている「十便十宜図」は川端康成さんの旧蔵品です。
「池橆名印」白文方印
「弎岳道者」白文方印
裏面