本紙 124 ×48,5㎝
軸装 185,5 ×64,5㎝
紙本墨画
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左幅には、岩から生えたひと際大きな蘭。
豊かな長い葉を、向かって左から吹く風に大きく踊らせています。
なんてダイナミックな動きの描写。
たっぷりと水を含んだ筆の伸びやかなこと!
墨の美しい色に心奪われます。
蘭の花が、植物というよりも、小動物か昆虫の顔のようなのも、
大雅の特徴の一つでしょう。
画の中で生きて蠢くようです。
右幅がこれがまた素晴らしい!
こんな大雅作品、他にあったかしらと思います。
右幅の主役は、大きく複雑な穴を持った太湖石です。
胸騒ぎを覚える、奇奇怪怪な姿。
青墨で、水分たっぷりの太い太い筆で描かれた岩の輪郭と、
割れた筆先で幾重にも奥ゆきを表現した複雑な穴、
その穴から、うるうると見える裏側の蘭。
異世界へ連れて行かれそうです!
岩の側面に生える蘭達は、自由奔放な姿です。
それがまた、奇異感を増幅させています。
優雅な左幅。暴れん坊の右幅。
並べて一緒に見られることで、
お互いの魅力を引き出し合う一対です。
左幅上部の款記は
「九霞山樵写」
「九」が小さく、
「霞」が自由奔放な姿で、下部が「あ」的で右下に極端に下がるのは、
30才代後半から40才過ぎまでに多い書き方。
「池橆名印」朱文方印
「九霞山人」白文方印
共に、30才代後半に使われ始め、40才代で多く使われた印章。
同じ印材の両面で、ペアで捺されることが多いです。
国宝「楼閣山水図屏風」(東博蔵)にも、
重文「蘭亭曲水・龍山勝会(りょうざんしょうかい)図屏風」(静岡県立美術館蔵)にも、
この2印はペアで捺されています。
コンデイションが良くないこと、
箱に収められていないことから、格安に提示させていただきます。
大きさや構図から判断して、
オリジナルは屏風として描かれたのかもしれません。
十分に大雅の世界を味わっていただけるコンデションでございます。
¥300000
消費税・送料込
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□ 以下左幅 □
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巻き留めに「水仙」とマジックで書かれています
□ 以下右幅 □
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